「艶やか(あでやか)」という言葉は、ご存知でしょうか。
これは会話でも、文章でもとても良く使う言葉です。
でも「艶」の字から、なんとなく意味は分かるものの、読み方が分からない、こまかいニュアンスまでは分からない、ということもあるかもしれません。
そこで、以下では「艶やか」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「艶やか」の意味
「艶やか」は「あでやか」と読みます。
「あでやか」は「高貴」を意味する「あてやか」から変化した言葉です。
意味は、「ひとめを奪うように美しいこと」、「人の注意を集めるほどきれいな様子」です。
次に「艶やか」の漢字「艶」を確認してみましょう。
「艶」のもともとの意味は、「なまめかしい」「ふっくらと太って美しい」「つや、色つや」などです。日本ではさらに「男女間の情事に関わること」という意味が付け加わりました。
「艶やか」と書くと、ただきれいなだけではなく、色っぽいニュアンスを感じるのはそのせいでしょう。「上品な色気がある」と説明している辞書もあります。
注意:「艶やか」と書いて「つややか」と読む別の言葉もあります。こちらは「つやつやして美しい」「艶(つや)がある」という意味で、色っぽい美しさではなく、表面のつやを意味します。「つややかな陶器」「つややかな肌」など。
「艶やか」の使い方
では「艶やか(あでやか)」は、どのように使うのでしょうか。
主に、女性の美しさを表すのに使います。
しかも、ちょっとやそっとの美しさではなく、思わず目を奪われるような美しさです。
さらに、少女らしい清楚な美しさではなく、ふっくらと丸みを帯びて男心をそそるような色っぽい美しさです。ただし下品ではいけません。
「艶姿(あですがた)」という名詞もあります。
純白のウェディングドレス姿などは清楚さをイメージするので、ふさわしくないでしょう。
パーティー、夜会などのドレス姿や、浴衣姿、華やかな柄の和服姿などが「艶やか」と呼ぶにふさわしいでしょう。
露出が激しく、上品さに欠けるような場合は別の言葉を探しましょう。
「艶やか」の類義語・同義語
「艶やか(あでやか)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「濃艶」 濃厚な艶やかさ
- 「妖艶」 妖しいまでに艶やかということ
他には
「婀娜(あだ)」
「婀娜っぽい(あだっぽい)」
=これは、「女性が性的な魅力を全身から発散している様子」を表します。なので、「艶やか」という言葉の上品さをはみだしてしまっている色気に関しては「婀娜」のほうがふさわしいと言えるでしょう。
「セクシー」
=これも性的魅力があり肉感的であることです。
「艶やか」の対義語・反対語
「艶やか(あでやか)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
色っぽい魅力を含まない美しさという意味では、
- 「清楚(せいそ)」 (飾り気がなくさっぱりとした美しさ)
- 「可憐(かれん)」 (守ってあげたくなるような愛らしさ)
などが挙げられるでしょう。
そもそも美しくないという意味での反対表現では、
- 醜い
- 不細工
- ブス
- 貧相
- 色気がない
などが挙げられるでしょう。
※ところで、「淑やか(しとやか)」は類義語? それとも反対語? 「つつましい」はどうでしょうか? 「艷やか」と対立もすれば、両立もしそうで、難しいですね。
「艶やか」を使った例文
「艶やか(あでやか)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
「艶やか」を使った例文
- その三人組が舞台に登場すると、あまりの艶やかさに会場中が感嘆のため息をついた。
- その浴衣、艶やかでとてもいいけれど、悪い虫がつくんじゃないかとおばちゃんは心配だよ。
- 彼女の艶やかな笑顔を見た男は、一人残らず魂を抜かれたようになってしまう。
- この映画は、今をときめく美人女優たちの艶やかな和服姿も見どころの一つです。
まとめ
以上、「艶やか」の意味や用法について深掘りしてみました。
「あでやか」ではなく「つややか」の説明を期待していた人は、残念でした。軽く触れておきましたので、ご勘弁を。
ともあれ、「艶やか」をはじめとして、類語や、対義語など、うまく活用して表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。