「上げ膳据え膳」という言葉は、やや年季の入った表現という気もしますが、しばしば耳にし、よく使う表現でもあります。
また最近は「上げ膳据え膳夫」という熟語も使われている模様です。
でも、そもそも「上げ膳」「据え膳」って、どういうことなんでしょうか。
ちょっと曖昧だったりしませんか。
そこで、以下では、「上げ膳据え膳」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「上げ膳据え膳」の意味
「上げ膳据え膳」は、まず、「上げ膳」と「据え膳」の合成語です。
「上げ膳」とはズバリ「お客などに食事の膳を出すこと」です。
そして、
「据え膳」とは「すぐ食べられる準備をして、人の前に食膳を置くこと」です。
つまり、「上げ膳据え膳」とは、「客として下にも置かないおもてなしをすること」「非常に丁重に応対すること」を意味します。
それが、近年では「もてなす」方の用法ではなく、「もてなされる」方の表現としてよく使われるようになりました。
「三度々々ご飯を出してもらって丁重にもてなされる」、それがさらに変化して「なんでも他人にやってもらい、自分では動かない」という非難を込めた言葉になっています。
「上げ膳据え膳夫」とは
では、「上げ膳据え膳夫」とはどういう夫なんでしょか。
奥さんに対して、下にも置かぬ丁重な扱いをする出来た夫、ではありませんね。
その反対の「家事は一切手伝わない」「なんでも妻にまかせっきりで自分ではなにもしない夫」の意味で使われます。
ご飯も炊けない、自分のパンツのしまってある場所すら分からない、って感じでしょうか。
「上げ膳据え膳」の使い方
では「上げ膳据え膳」は、どのように使うのでしょうか。
意味の項で説明した通り、もともとは「お客をもてなす」意味で使う言葉で、「もてなされる」側の表現としても、決して悪い意味ではありません。
しかし、最近では、「なんでも人まかせにして自分では動かない」という非難を含めた表現としても使いますので、注意が必要でしょう。
余談ですが「据え膳」には、「据え膳食わぬは男の恥」という慣用句があります。色々な点で性差別的な表現と言えるでしょう。
「上げ膳据え膳」の類義語・同義語
「上げ膳据え膳」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「丁重にもてなす(もてなされる)」
- 「いたれりつくせり」
- 「下にも置かぬ扱い」
- 「何から何まで(お世話になる)」
- 「人まかせ」
- 「他人任せ」
では、「上げ膳据え膳夫」の類義語はなにかあるでしょうか。
類義語とは言えないかもしれませんが、なんでも妻にさせて自分は寝転んでいると、そのうち「粗大ごみ」と言われたりするかもしれません(苦笑)。
「上げ膳据え膳」を使った例文
「上げ膳据え膳」はどのように使うのでしょうか。
以下に例文を挙げてみました。
- こんな豪華な旅館に泊まって、温泉に入って、上げ膳据え膳だなんて、もったいない話だわ。
- こっちは夜も寝ないで授乳してるのに、あの上げ膳据え膳夫はオムツも替えられないんだよ。
- あの上司ときたら面倒な雑用は全部こっちに押し付けて、まるで上げ膳据え膳じゃないの、いい御身分ね。
- 出来た妻を貰って、すっかり上げ膳据え膳の生活に慣れてしまったので、もし先立たれたら途方にくれるだろうな。
まとめ
以上、「上げ膳据え膳」の意味や用法について深掘りしてみました。
「上げ膳据え膳」の暮らしはしてみたいものの、「上げ膳据え膳夫」というのは困りものですね。
自分の世話は自分でできることが基本ですね。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。