「相まって」という言葉は、ご存知でしょうか。
この表現はとくに難しい表現でもなく、読み方もだいたい想像がつく言葉です。
しかし少々古めかしい言い回しなので、使ったことがない、出会ったことがないという場合もあるのではないでしょうか。
なんとなく意味は分かるけれど、正確には「?」という人も、この機会に「相まって」を習得してしまいましょう。
それでは、以下で「相まって」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「相まって」の意味・読み方
「相まって」は「あいまって」と読みます。
「相まって」は「相まつ」という動詞の連用形です。
この言葉は「相俟つ(あいまつ)」とも表記します。
次に意味ですが、まずは「相俟つ(あいまつ)」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「相」は、さまざまな意味がありますが、ここでは「こもごも」「ともに」「相手を」という意味です。
「俟」は、この場合には「あてにする」「期待をかける」という意味です。
この二文字を使って表記される「相俟つ(あいまつ)」の意味は、
「二つ以上のことが重なり合って働く」
「互いに作用し合う」
という意味です。
なので「相まって」の意味は、同様に、
「二つ以上のことが重なり合って働いて」
「互いに作用し合って」
ということになります。
「相まって」の使い方
では「相(あい)まって」はどのように使う言葉でしょうか。
「相まって」は、少々古風な語感のある和語ですが、使い勝手はいいので、使いこなして語彙を増やしましょう。
一つの物事のうえに、二つ以上の要素が互いに働いて、その相乗効果(そうじょうこうか)で、1+1が2よりも大きな効果を生んでいる様子を表します。
「両両相俟って(りょうりょうあいまって)」という定形的な表現もありますが、意味はまったく同じです。
近年のビジネス用語としては「シナジー効果」「シナジー」という言葉がよく用いられますが、だいたい同じ意味です。
「相まって」の類義語・同義語
「相(あい)まって」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「重なって」 あるものの上に、覆いかぶさるように位置する様子。ある傾向の上に、それを助長する要素がさらに加わる様子。
- 「重なりあって」 複数の要素が互いに重なる様子。
- 「相乗効果(そうじょうこうか)」 「乗」は数学でいう掛け算のことで、「相乗」は互いに掛け合わせること。個々の要素を単純に合計したのよりも大きな効果がある様子を意味します。
- 「シナジー」 相乗効果。共働作用。「相まって」と同じ意味。
「相まって」の対義語・反対語
「相(あい)まって」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「中和(ちゅうわ)」 性質の異なるものが合わさって、それぞれの性質や作用が失われること。
- 「帳消し(ちょうけし)」 本来は、「借金をすべて返し終えて、帳簿から消されること。棒引き」の意味ですが、「プラスとマイナスが打ち消しあって、効果がゼロになること」という意味で広く使われます。
- 「相殺(そうさい)」 相(あい)反するものを差し引きしてゼロにすること。
他には - 「打ち消し合う(うちけしあう)」
- 「互いに足を引っ張る(あしをひっぱる)」
「相まって」を使った例文
「相(あい)まって」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 長くつながった連休と好天が相まって、各地の海水浴場はたいへんな人出で賑わっている。
- 焦がしバターとカリカリに焼いたベーコンが相まって絶妙なコクを生んでいる。絶品だ。
- 重い病気と失業とが相まって自殺願望が高まったようだ。
- 華麗なストーリー展開と役者陣の名演技が相まって近年稀に見る素晴らしい映画。
まとめ
以上、「相(あい)まって」の意味や用法について深掘りしてみました。
「相まって」だけではなく、「相乗効果」や「シナジー」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。