「暗愚」という言葉はあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、意味や使い方を覚えると表現の幅がより一層広がることでしょう。
「あの武将は『暗愚な武将』として有名だ!」などのような使い方をします。
「暗愚な武将」とは、一体どのような武将のことなんでしょうか?
それでは、暗愚という言葉の意味に関して深掘りしてみましょう!
「暗愚(あんぐ)」の意味と読み方
暗愚は「あん-ぐ」と読みます。
暗愚の意味ですが、わかりやすくそれぞれの文字の意味を紐解いてみましょう。
暗・・・暗い。表に見えない、人に見えない。道理がわからない。
愚・・・才知の働きがない。ばか、愚かなこと。ばかばかしいこと。くだらないこと。
「暗」「愚」にはそれぞれ複数の意味がありますが、今回の「暗愚」の場合は、太文字の意味が当てはまります。
よって、暗愚の意味は字義通りに捉えると「道理がわからずおろかなこと(ひと)」という意味になります。
「道理がわからない」という言葉の意味は「物事の是非を判断する力がない」です。
要するに「物事が良いことであるか、または悪いことであるか、という判断ができないバカ」という意味になります。
「暗愚(あんぐ)」の正しい使い方
暗愚という言葉はかなり硬い印象をもつ言葉ですので、もっぱら文章中で用います。
暗愚(あんぐ)という言葉は「道理がわからず、おろかなこと(ひと)」という意味ですので、暗愚は人物を形容するような意味として使うことが多いです。
・もしくは、自分のためだけを考え、国民のことを全く顧みない王様が国民に対して理不尽な命令ばかりするようであれば、国民からは「暗愚な王様」と言えるでしょう。
このように、物事の是非を判断することができない愚か者に対して「暗愚な○○」という風に使うことができます。
また、例えからもわかるように、自分よりも目下の人間に対して使う言葉というよりは、自分よりも身分が上の人間に対して卑下するようなニュアンスとして「暗愚」は使うといいでしょう。
「暗愚(あんぐ)」の類義語・同義語
「暗愚(あんぐ)」の類義語・同義語には、どのような言葉があるでしょうか。
暗愚には「道理がわからず、おろかなこと(ひと)」という意味があり、類義語には「道理に暗いこと」や「愚かなさま」の意味が含まれる言葉が挙げれます。
- 蒙昧(もうまい)・・・知識が低く道理に暗いこと。
- 愚昧(ぐまい)・・・ばかで、物の道理がわからないこと。
- 愚蒙(ぐもう)・・・おろかで道理がわからないこと。
- 愚鈍(ぐどん)・・・頭が悪く、する事もまぬけなこと。
- 浅薄(せんぱく)・・・知識や考えが、浅く薄っぺらなこと。浅はかなこと。
「暗愚(あんぐ)」の対義語・反対語
「暗愚(あんぐ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
暗愚は「物事の是非を判断することができない愚か者」という意味ですので、対義語は「物事の判断がきちんとできる賢い人」であると言えます。
暗愚には下記のような言葉が対義語・反対語として挙げられます。
- 賢明(けんめい)・・・かしこくて道理に明るいこと。かしこくて適切なこと。
- 聡明(そうめい)・・・頭がさえ、理解力があり、人格にすぐれ、かしこいこと。
- 利巧(りこう)・・・かしこいこと。物分かりがよくて素直なこと。
- 英明(えいめい)・・・才知がすぐれて、物事の道理に明るいこと。
- 明哲(めいてつ)・・・才知があり、物事の道理に通じていること。
「暗愚(あんぐ)」を使った例文
「暗愚(あんぐ)」はどのように使うのでしょうか。例文を使ってご紹介します。
- あそこの主人は暗愚だという噂は瞬く間に広がった。
- 大正天皇が暗愚であったという風説は大正時代からあった。
- 義景は現在においても暗愚な武将として評価されることが多い。
- 一代で土佐一条氏を滅ぼしたため暗愚な武将として知られている。
- 一般に久政は、時の流れを読めなかった暗愚な当主とされることが多い。
「暗愚(あんぐ)」の意味まとめ
「暗愚(あんぐ)」の言葉の意味や用法について深掘りしてみました。
あなたの身の回りには「暗愚な人」いますでしょうか?
いないとしても、「暗愚」の意味は覚えておいて損はありません。
この言い回しを身に着けて、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。