「著す」の意味と使い方を解説!「著す」を使った例文を紹介

著す

「著す」という言葉は、ご存知でしょうか。

「著者(ちょしゃ)」という言葉には誰でも馴染みがあると思うので、意味はなんとなく分かるかもしれません。でも、読み方がイマイチ分からない人は多いと思います。

使わなくても何不自由なく生活できる言葉ではありますが、一般教養として押さえておいてもいい言葉です。

それでは、以下で「著す」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

 

「著す」の意味・読み方

「著す」は「あらわす」と読みます。

次に意味ですが、まずは「著す」の漢字を確認していきましょう。

」という文字は、「あらわれる」「いちじるしくなる」など、様々な意味がある字ですが、ここでは「あらわす」「書き表す」という意味です。

 

熟語「著す(あらわす)」の意味は、
本を書いて出す

書物を世に出す
ということです。

 

「著者(ちょしゃ)」は「本を書いて出した人」です。

「著作(ちょさく)」は「著者が書いた本」です。

雑誌の記事や、ネットの記事を書いた人は「執筆者」「記者」「ライター」などという言葉で言い表されます。

MEMO
「著す」とかいて「しるす」と読む別の語もあります。こちらは「書き記す」という意味です。

 

「著す」の使い方

では「著す(あらわす)」はどのように使う言葉でしょうか。

「著す」は「本を書いて世に出す」ことで、単に「本を出す」「本を出版する」といっても同じような意味ですが、「著す」と表現したほうが、重みがあり、立派な本を出したような印象になります。

 

MEMO
実際の用例としては、「本を出す」以外に、「何かを表現する」という意味での「あらわす(表す)」に「著す」という字を当てる例も多数あります。

そもそも「著」という漢字に「あらわす」という意味があるので、正当な用法なのですが、一般的には真似しないほうが無難だと思われます。

 

「著す」の類義語・同義語

「著す(あらわす)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。

本を出すという意味に限って、以下に、例をあげてみましょう。

 

  • 「出版する」 文章・図画などを印刷して書物の形にして市場に出すこと。
  • 「上梓する」 「出版」の意味の古風な表現です。
  • 「発刊する」 本や新聞・紙幣・債券などを印刷して世に出すことです。
  • 「刊行する」 書物などを印刷して出版することです。

「著す」の場合は主体が「著者」であるのに対し、「刊行する」「発刊する」などは、行為の主体は出版社と考えられます。

 

「著す」の対義語・反対語

「著す(あらわす)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。以下に、例をあげてみましょう。

「本を出す」という行動の性質上、明確な対義語というものはありません
なので、「本を出す」こととは似て非なることを表す言葉を挙げておきます。

 

「著す(あらわす)」と似て非なる言葉
  • 「ブログ(やネット記事)を書く」 出版社を通さずに誰でもできる手軽な表現ですが、これが注目を浴びて本の出版につながる場合もあります。
  • 「ツイッターで『呟く(つぶやく)』」 これも自分の言論を世に出す行為です。最近エジプトではフォロワー5000人以上のSNSは新聞やテレビと同じくメディアと見做す法律が成立し、うっかりフェイクニュースを流すと逮捕・有罪になりかねません。

日本では、SNSの書き込みを無責任な雑談程度に捉えている人が政治家にすら多く、暴言失言が批判の対象になる事例が多数あります。

※その他「自費出版」は、一応立派な出版です(その品質・水準はさておき)。そもそも書物とは、出版業という業態が成り立つ以前は、手で写されて複製・流通する写本であったり、貴族が自費で少数部数作って友人に配ったりするものでした。

 

「著す」を使った例文

「著す」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

 

「著す(あらわす) 」を使った例文
  1.  流行作家A氏は、莫大な点数の小説をし、そのほとんどがベストセラーだったが、今ではほとんどが絶版で、書店で見かける機会は少ない。
  2. 元金融業界関係者という経験と知識をもとに、多数の経済小説をした。
  3. ある女優がした半生記には、多数の著名人との交流が記されており、業界が騒然となった。
  4. 独自の史観に基づく研究書を多数した。

 

まとめ

以上、「著す」の意味や用法について深掘りしてみました。

「著す」だけではなく、「出版」や「上梓」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。