「忘備録」の意味と使い方を解説!「忘備録」を使った例文を紹介

忘備録

「忘備録(ぼうびろく)」という言葉は、ご存知でしょうか?

「え? 備忘録じゃないの?」と思った人、その通りです。

しかし、現在では「忘備録」という言葉は、かなり広く流通しており、すでに誤用とは言えない状況になっているようです。

それでは、以下でそのあたりの事情も追求しつつ、「忘備録」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「忘備録」の意味と読み方

「忘備録」は「ぼうびろく」と読みます。

本来の形は「備忘録(びぼうろく)」です。

漢語の語順として、「備忘」だと「忘れることに備える」となります。

しかし、「忘備」だとすると「備えることを忘れる」になってしまい、辻褄が合いません

「忘備録」は、そういう失敗の記録集ではありませんものね。

『角川新字源』(初版)には、「備忘」は出ていますが「忘備」は出ていません。

漢語には、そういう言葉がないからです。

手元にある国語辞典を見た限りでは「忘備録」という項目はありません(膨大な収録語数の辞書には出ているかもしれません)。

もちろん、『広辞苑 第七版』(岩波書店)にもありませんが、ただし「備忘録」の語釈はこうなっています。

「忘れた時の用心に書きとめておくノート。手控え。忘備録。」

出典:『広辞苑 第七版』(岩波書店)

はい、岩波書店の権威ある『広辞苑』が、「忘備録」という言葉があることを認めております。

なので、「忘備録」は現在ひろく普及しており、すでに誤用ではないと言えるかと思います。

しかし、本来は「備忘録」であることは覚えておいてもいいでしょう!

「忘備録」の正しい使い方

では「忘備録」はどのように使う言葉でしょうか。

実はもう、あまり使わないという気もします。。。

実際、「メモしておく」「メモっておく」とか「ToDoリスト」とかいうほうが普通ではないでしょうか。(ちなみに「ToDo」は「すること」です)

あるいは、「タスク管理アプリ」を使うとか。もうとっくにそういう時代ですし、特にこうしてネットで調べ物をしているよう人は、「いまどき忘備録って(笑)」という感じなのではないかと思います。

「忘備録」の類義語・同義語

「忘備録」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。

以下に、例をあげてみましょう。

「忘備録」の類義語・同義語
  • 「備忘録」・・・忘備録の本来の形です。辞書の項目としてはこちらのみが載っていることが多いです。
  • 「メモ」・・・気づいたこと、忘れては困ることを、手近な紙に書いたりします。
  • 「ToDoリスト」・・・やるべきことを一覧にしたリストです。パソコンやソマホなどで管理することが多いのではないでしょうか。
  • 「タスク管理アプリ」・・・ToDo管理アプリとも言います。「タスク」は、やるべき仕事というような意味です。

「忘備録」の対義語・反対語

「忘備録」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。

言葉の性質上、対義語というものはありません。忘れてかまわないことはわざわざメモったりしません。

「備忘」と対照的となる状況を表す言葉に、

「備忘忘れ(びぼうわすれ)」があります。

忘れては困ることを紙に控えておくこと自体を忘れてしまうことです。

みなさんも身に覚えがあるのではないでしょうか?

あるいは、メモを確かに書いたのに、それをどこにしまったか忘れてしまう、ということもありますよね。

「物忘れ」「ど忘れ」は年々ひどくなる一方です。

「忘備録」を使った例文

「忘備録」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

1・「あれ、忘備録と備忘録って、どっちが正しいんだっけ?」「備忘録です」「忘れちゃうから忘備録に書いておこう」「だから備忘録ですって」
2・「母を看病しているうちに、いろいろと昔のことを思い出したので、後日のための備忘録としてここに記しておく。」
3・「長年書き溜めてきた忘備録風のノートのなかに、知り合いの恥ずかしい秘密がたくさん記録してある。」

「忘備録」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

「忘備録」を使った例文
  1. A「あれ、忘備録と備忘録って、どっちが正しいんだっけ?」
    B「備忘録です」
    A「忘れちゃうから忘備録に書いておこう」
    B「だから備忘録ですって」
  2. 母を看病しているうちに、いろいろと昔のことを思い出したので、後日のための備忘録としてここに記しておく。
  3. 長年書き溜めてきた忘備録風のノートのなかに、知り合いの恥ずかしい秘密がたくさん記録してある。

まとめ

以上、「忘備録」の意味や用法について深掘りしてみました。

「忘備録」だけではなく、さまざまな類語や、対義語など、うまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。