「弥縫策(びほうさく)」という言葉は、ご存知でしょうか。
何かの「策」だということは推測できても、「弥縫」のほうはどうも推測のしようがないという場合も多いのではないでしょうか。
ビジネス文書などでわりと頻繁に使われる語彙でもありますので、この機会に「弥縫策」を習得してしまいましょう。
それでは、以下で「弥縫策」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「弥縫策」の意味・読み方
「弥縫策」は「びほうさく」と読みます。
次に意味ですが、まずは「弥縫策」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「弥」は、いろいろな意味が主ですが、ここでは「あまねく」「完全にする」という意味です。
「縫」は「ぬう」「糸でぬいあわせる」という意味です。
「策」は「はかりごと」「計画」などの意味です。
これらの文字を合わせた「弥縫策」の意味は、
「失敗や欠点などを一時しのぎにとりつくろうはかりごと」
です。
「弥縫策」の使い方
では「弥縫策(びほうさく)」はどのように使う言葉でしょうか。
「弥縫策」は、何か欠点・失敗・問題点などがあって、本来であれば根本的に解決策・改善策を講じなければならないのに、とりあえず応急処置的に、一時しのぎで対処する策のことを言います。
「弥縫策」で物事に対処しても、根本的な解決にはつながらないので、あまりいい意味の言葉ではありません。
「弥縫策」には、一時しのぎ、お座なり、間に合わせ、取り繕いというニュアンスがあります。
「弥縫策」の類義語・同義語
「弥縫策(びほうさく)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「一時凌ぎ(いちじしのぎ)」 その場の苦境を仮に切り抜けること
- 「お座(ざ)なり」 その場限りの間に合わせ
- 「間に合わせ(まにあわせ)」 とりあえずの、その場限りの対応
- 「即席(そくせき)」 その場ですぐに作ること
- 「臨機(りんき)」 その場その場に応じて、適宜に何かをすること
- 「取り繕い(とりつくろい)」 その場しのぎに外見だけととのえること
「弥縫策」の対義語・反対語
「弥縫策(びほうさく)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「破綻(はたん)」 弥縫策の類語「取り繕う」の逆が「取り繕わない」その結果「破綻」するという事
(「破綻処理」「倒産」「破産」なども弥縫策とは逆と言える) - 「抜本的解決策」 問題の原因から根本的に解決する策
- 「ドラスティックな解決策」 ドラスティックは、抜本的、徹底的、思い切ったという意味
- 「根治」 根本から直すこと
「弥縫策」を使った例文
「弥縫策(びほうさく)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 小手先の弥縫策でいくら延命しても、根本の原因に対応しない限り、破綻を先延ばしするだけでしょう。
- 今は、場当たり的な弥縫策と言われても、やれることをやるしかない。そうして時を稼いで、起死回生のチャンスを待つんだ。
- 自治体が旗を振る少子化対策が婚活パーティーじゃあ、弥縫策にすらなってないよね。
まとめ
以上、「弥縫策(びほうさく)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「弥縫策」だけではなく、「一時凌ぎ」「お座なり」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。