「牧歌的」の意味と使い方を解説!「牧歌的」を使った例文を紹介

牧歌的

「牧歌的」という言葉は、ご存知でしょうか。

ときどき遭遇するけれど、意味は曖昧ということも多いかもしれません。

そもそも牧歌ってなんですか、というところから確認する必要がありそうです。

でも、音楽や美術をはじめ、さまざまなジャンルでこの言葉は説明に使われたりしますので、抑えておいて損はありません。

それでは、以下で、「牧歌的」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「牧歌的」の意味と読み方

「牧歌的」は「ぼっかてき」と読みます。

次に意味ですが、まずは「牧歌」とは何か、から確認していきましょう。

「牧歌」とは、

「牧童が家畜の番をしながら歌う歌」

「牧人や農夫の生活を主題とする詩歌(曲)で、素朴で叙情的なもの。田園詩(pastoral)」

というものを指します。

ですから「牧歌的」とは「牧歌のように素朴で叙情的なさま」という意味です。

もっとも、イマドキの日本の農家では、一日中ラジオを掛けていたり、牛乳の出が良くなるからという理由で牛舎でモーツァルトを掛けているかもしれませんね。

「牧歌的」の正しい使い方

では「牧歌的(ぼっかてき)」はどのように使う言葉でしょうか。

田園風の素朴で叙情的な様子を表すので、大都会を描いたものがどんなに叙情的でも「牧歌的」とは表現しません

田舎風、純朴、そういう対象に使います

どちらかというと、都会から見て田園生活を憧れるような視線です。

農業の過酷な現実や貧しさと直視すると、「牧歌的」とは言えなくなってしまいます。

汚れない子供同士の淡い恋愛は「牧歌的」かもしれませんが、大人同士の爛れた不倫は「牧歌的」の正反対ですね。

「牧歌的」の類義語・同義語

「牧歌的(ぼっかてき)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。

以下に、例をあげてみましょう。

「牧歌的」の類義語・同義語
  • 「田園風」 「田園」という言葉自体がオシャレで美化されているので、「牧歌的」と近いニュアンスです。
  • 「田舎風」 「田園風」ほどオシャレ感はなく、より素朴で、洗練されていない感じです。
  • 「田舎びた」 「田舎風」に近いですが、さらにマイナスの表現としても使われます。
  • 「垢抜けない」 田舎臭さが抜けていない感じです。

他に「素朴な」「のどかな」などが挙げられます。

「牧歌的」の対義語・反対語

「牧歌的(ぼっかてき)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。

以下に、例をあげてみましょう。

「牧歌的」の対義語・反対語
  • 「都会的」 スピードや効率を重視した生活、オシャレな暮らしなどは牧歌的とは対照的だと言えます。
  • 「洗練された」 ハイセンスで、磨きぬかれたものは素朴とは正反対と言えます。
  • 「慌ただしい」 のんびりした田舎というイメージの正反対です。「無機質な」 農村は牛糞や堆肥の有機質の香りに満ちているので、その反対だと言えるでしょう。

他に、「殺伐とした」「ギスギスした」「効率的」なども挙げられるでしょう。

「牧歌的」を使った例文

「牧歌的(ぼっかてき)」はどのように使うのでしょうか。

以下に例文を挙げてみました。

「牧歌的」を使った例文
  1. 「牧歌的な生活に憧れて田舎に移住したら、閉鎖的な人間関係に悩まされた。」
  2. 「この殺伐とした社会の中で、ここまで牧歌的な世界観を描ける作家は貴重な存在だろう。」
  3. 「競争社会で生き抜くには、我が社の牧歌的な労働環境も見直さないとな。」「いいじゃないですか、潰れなければそれで。」
  4. 「中世の牧歌的生活を偲ばせる、古雅な宗教歌。」

まとめ

以上、「牧歌的」の意味や用法について深掘りしてみました。いかがだったでしょうか。

「牧歌的」だけではなく、さまざまな類語や、対義語など、うまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。