「凡百」という言葉は、ご存知でしょうか。
この熟語は、使われている漢字はあまり難しくありませんし、なんとなく分かっているような感じで、意外と曖昧にやりすごしている、でもよくよく考えてみると、本当に正しい意味で使っているか不安になる、そんな言葉ではないでしょうか。
この機会に、「凡百」の意味と読みを、一度しっかりと確認して確かなものにしておきましょう。
それでは、以下で「凡百」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「凡百」の意味・読み方
「凡百」は「ぼんひゃく」と読みます。
次に意味ですが、まずは「凡百」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「凡」は「すべて」「おおよそ」「おしなべて」「なみ、ありふれた」など、様々な意味があります。
「百」は、文字通りの数字ですが、「ひゃく」以外に「多い」「もろもろ」「さまざま」という意味でも使われます。
この二つの漢字を合わせた熟語「凡百」は、文字通りには「いろいろの」「あらゆる」という意味ですが、日本語の熟語としては、
1.「いろいろのもの」「もろもろ」
2.「ごくごくありふれた状態」
という意味で使われます。(主に2の意味で使用します。)
「凡百」の使い方
では「凡百(ぼんひゃく)」はどのように使う言葉でしょうか。
「凡百」は、会話でも文章でもよく使う日常的な表現です。
「凡百の映画」というと、ありふれた平凡な映画という意味になりますが「凡百の映画とは一味違う」と言えば、見どころのあるいい作品という意味になります。
「凡百の小説にはない面白さ」という風に、平凡から一歩抜きん出た魅力あるものを示すのに使いやすい表現です。
「凡百の政治家には到底できない鋭い質問」などという褒め方もよく使う表現です。
「凡百」の類義語・同義語
「凡百(ぼんひゃく)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「平凡」 特に優れた点、変わった点がない様子
- 「月並み」 型にはまっていて平凡な様子
- 「並大抵」 普通に考えられる程度という意味。通常、否定の形で「並大抵の努力ではできない」などと用いる
- 「凡庸(ぼんよう)」 特別に優れた能力や魅力がない様子
- 「ありふれた」 どこにでもあって珍しくない様子
- 「どこにでもいる」 ありふれていること
「凡百」の対義語・反対語
「凡百(ぼんひゃく)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「非凡な」 普通よりはるかに優れている様子
- 「傑出した」 同類の中で飛び抜けて優れている様子
- 「目立つ」 他からはっきり区別されて見える様子
- 「際立つ(きわだつ)」 他からはっきり区別されて目立つ様子
- 「特異な」 その特徴が際立って印象的な様子
- 「特別な」 普通一般と同じ扱いはできない様子
「凡百」を使った例文
「凡百(ぼんひゃく)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 凡百の作曲家にはないベートーヴェンの構築性と精神性の融合。
- 凡百の賛辞をいくら連ねても、とても褒めたりない大傑作だ。
- あれだけの不祥事を起こし、失策を重ねてもまだ首相の座に付いていられるとは、凡百の政治家ではあるまい。
- 凡百の研究書にはみられない、源氏物語のあらたな一面を教えてくれる名著。
まとめ
以上、「凡百(ぼんひゃく)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「凡百」だけではなく、「凡庸」や「月並み」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。