「知己」という言葉は、ご存知でしょうか。
「知」は「知る」だから問題ないとして、「己」の字がいまひとつ分かりづらいですよね。結果として熟語の意味はよくわからないという方が多いのではないでしょうか。
知ってしまえば難しくもなんともない言葉なので、この機会に「知己」を習得してしまいましょう。
それでは、以下で「知己」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「知己」の意味・読み方
「知己」は「ちき」と読みます。
次に意味ですが、まずは「知己」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「知」は「知る」「知っている」の意味です。
「己」は「おのれ」「自分」という意味です。
この二文字を組み合わせた熟語「知己」の文字通りの意味は「自分のことを知っている人」です。
熟語「知己」は、
「自分の心や値打ちをよく知ってくれている人」
「自分をよく理解してくれる人」
「親友」
「知人」
という意味の言葉です。
「知己」の使い方
では「知己(ちき)」はどのように使う言葉でしょうか。
「知己」は、やや古めかしく硬い印象のある漢語なので、改まった会話や文章で用います。
=己・已・巳の使い分け=
ここで「知己(ちき)」に使われている漢字「己(き)」は「己(おのれ)」の意味ですが、形のよく似た「已」や「巳」と紛らわしいので、使い分け、区別に注意しましょう。
タテ棒が上まで付いている「巳(み)」は「ヘビ」の意味です。
タテ棒が途中で止まっている「已」は「已(すで)に」「已(や)む」という意味で使う字です。
タテ棒が飛び出ていない「己(き)」は「己(おのれ)」です。暦や方角を表す十干の一つで「己(つちのと)」とも言います。
※「已己巳己(いこみき)」という四字熟語(?)があり、互いによく似ていて紛らわしいことを表す言葉です。
※これを覚えるための和歌もあります。
「巳(み)は上に、己己(おのれつちのと)下につき、半ば開くれば、已(すで)に已(や)む已(のみ) 」
この覚え歌は様々なパターンがあります。お暇な方は探して比べてみると面白いでしょう。
「知己」の類義語・同義語
「知己(ちき)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「親友(しんゆう)」 なんでも打ち明けられるような信頼できる友。
- 「知人(ちじん)」 知っている人。
- 「顔馴染(かおなじみ)」 お互いに顔を知っている親しい仲。
- 「幼馴染(おさななじみ)」 幼い頃から知り合っている親しい仲。
- 「竹馬の友(ちくばのとも)」 幼年時代からの友人。
- 「肝胆相照らす仲」 互いに本当に心の内を理解し合える仲。
- 「畏友(いゆう)」 尊敬する友人。
- 「朋友(ほうゆう)」 信頼しあっている友人。
「知己」の対義語・反対語
「知己(ちき)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「他人(たにん)」 自分となんの関係もない人。
- 「他所様(よそさま)」 他人を敬っていう表現。
- 「ひとさま(人様、他人様)」 他人を敬っていう表現。
- 「無縁(むえん)」 縁がないこと。
- 「余人(よじん)」 当事者・関係者ではない人。
- 「見ない顔」 近所などで見かけたことのない人。
- 「知らない人」 他人。
「知己」を使った例文
「知己(ちき)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 百年の知己って大げさな、俺たち何歳だよ。
- 見ず知らずのわたくしをまるで十年来の知己のように暖かく迎えてくださいまして、本当にありがたいと言うか、不用心だなと言うか。
- 出会って二時間も経っていないのに、もう二人は十年来の知己のように遠慮のない仲になっていた。
- その劇団での活動を通じて多くの知己を得た。
まとめ
以上、「知己(ちき)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「知己」だけではなく、「親友」、「畏友」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。