「直截(ちょくせつ)」という言葉は、ご存知でしょうか。
「截」の字がなかなかクセものですよね。目に入っても無意識のうちに目をそらしてしまいがちな言葉かもしれません。おまけに読み方も紛らわしい言葉です。
でも、一度知ってしまえば、なかなか使える言葉です。せっかくなので、今ここで覚えてしまいましょう。
ということで、以下では「直截」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「直截」の意味
「直截」は「ちょくせつ」と読みます。「ちょくさい」は慣用読みです(そう読まれることが多いが、本来は正しくないという意味です)。
「ちょくせつ」という読みは分かっても、今度は、「直接」とは何が違うのか、そこもまたややこしいですね。
そこで「直截」の意味ですが、まずは「直截」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「直」は「すぐに」「じかに」です。
「截」は「断つ」「切る」「断ち切る」という意味です。「截然」「截断」などと使います。
「直截」の文字通りの意味は「すぐに断ち切る」ということです。
なので、熟語としては、
「直観的に断定すること」
「思案せずにすぐに裁断すること」
「ためらわずにすぐに裁決する様子」
「持って回った言い方ではなく、見たり感じたりしたことをずばりと言い切る様子」
といった意味になります。
「直截」の使い方
「直截(ちょくせつ)」と「直接(ちょくせつ)」の違いはなんでしょう。
「直截(ちょくせつ)」は、考えたりせずに、即座に言ったり、判断したりということで、スピード感が大事な特徴です。
「直接(ちょくせつ)」は、間に何かを挟まずに「直に(じかに)」接するという、距離感(距離ゼロ)が特徴です。
「直截的」とは
「直截的」は「直截な様子」です。
「直截的な言い方」だと、あれこれ考えたり遠慮したりせず、思ったことをそのまま言う、ということです。
「直截的な行動」だと、時間を掛けて熟慮などはせず、直観的に判断して即座に動く、ということです。
「直截」の類義語・同義語
「直截(ちょくせつ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「ストレート」
=ストレートはまっすぐという意味です。逡巡せずに、思ったこと、感じたことをそのまま、ということです。 - 「単刀直入」
=これは、「単独で敵陣に切り込むこと」という意味から「議論抜きで要点をつくこと」「率直に表現する」という意味になりました。 - 「率直」
=あれこれの事情に配慮したり遠慮したりせず、思いのままに表現するということです。
「直截」の対義語・反対語
「直截(ちょくせつ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「婉曲(えんきょく)」
=表現が直截(露骨)でなく、遠回しに言う様子」「柔らかで、角が立たない様子」を意味します。 - 「迂曲・紆曲(うきょく)」
=うねり曲がること」「遠回りすること」を意味します。 - 「優柔不断(ゆうじゅうふだん)」=なかなか決められない
- 「悠長(ゆうちょう)」=のんびりしている
- 「右顧左眄(うこさべん)」=右や左を見て、決められない様子
「直截」を使った例文
「直截」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 「君はあんまり直截な言い方をしすぎるよ。角が立つから気をつけて喋りなさい。」
- 彼女から直截な物言いで、ズバズバと欠点を指摘され、反論する暇もなかった。
- その人は、熱烈に、直截に、わたしへの想いをぶつけてきたが、わたしはその思いを受け止めきれずに、逡巡するばかりだった。
- 直截な行動のせいで、しょっちゅう自分から墓穴を掘っている。
まとめ
以上、「直截」の意味や用法について深掘りしてみました。
「直截」だけではなく、「単刀直入」や「率直」など、さまざまな類語や、対義語も、うまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。