「度し難い」(どしがたい)という言葉、ご存知でしょうか。
なにか、時代劇とか歴史小説なんかに出てきそうな古めかしい言い回しですよね。
そもそも「度し」ってなんだろう? と疑問に思ってしまいますよね。
何か由来・因縁がありそうです。
そこで、以下では、「度し難い」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「度し難い」の意味と読み方
読み方
「度し難い」は「どしがたい」と読みます。
もともとは「済度し難い」で、それが省略された表現として定着しました。
意味
では、「済度」とは何でしょう。漢字それぞれの意味は、「済=救う」「度=渡す」です。
これは、もともと仏教の用語で「仏が、迷って悩み苦しんでいる人を救って、悟りの彼岸に渡してやること」を意味します。
悟りを開くことで悩みから救われる訳です。
従って「度し難い」は「仏様でも救いがたい」という意味になります。
「度し難い」の正しい使い方
では、「度し難い」は、どういう場面で使うのでしょうか。正しい使い方を考えてみましょう。
まず、辞書的な語義としては、
- 道理を言い聞かせても救いがたい
- いくら言い聞かせても理解させることが出来ない
- わからずやでどうにも手に負えない
という意味ですので、そのような頑固だったり、愚かだったりする対象を形容して「度し難い」と表現します。
仏教の教えが広まっている社会では「仏様でも救えない」というのは最低・最悪の状況です。相当な頑固さ、愚かさを形容する強度の強い表現だと言えるでしょう。
「度し難い」を使った例文
「度し難い」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- こんど入った新人は、まったく度し難い大馬鹿野郎だな。
- 社長が度し難い偏屈者なので、社員一同困り果てている。
- 寄付金目当てでクジラを守れと叫び、調査捕鯨船に危険な攻撃を仕掛ける環境テロリストはまったく度し難い連中だ。
- 何度問題を起こしても暴力との縁を手を切れない相撲界の体質は度し難い。
「度し難い」の類義語・同義語
「度し難い」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか?
「度し難い」の類義語・同義語にはどんな言葉があるでしょうか。
「度し難い」では、ちょっと強すぎるかな、ちょっと硬すぎるかな、という場合のために、言い換えの表現を確認しましょう。
「度し難い」を言い換えた言葉
「度し難い」を言い換えた言葉には、次のような言葉があります。
- 救いがたい
- 御しがたい
- 始末に負えない
- 手に負えない
- どうしようもない
- 持て余す
- タチが悪い
- 手を焼く
- 手に余る
- お手上げ
- わからずや
- 聞き分けのない・聞き分けない
それぞれ、語の強さや、ニュアンスが違いますので、うまく使い分けるといいでしょう。
「度し難い」の対義語・反対語
では、「度し難い」の対義語・反対語にはどんな言葉があるでしょうか。
- 御しやすい
- 手なづけやすい
- 物分りがいい
- 聞き分けがいい
- 話がわかる
- 融通がきく
- 素直
- 従順
- 手がかからない
- 飲み込みが早い
- 一を聞いて十を知る
「御しやすい」「手なづけやすい」 これは相手が、自分の思い通りに動かしやすいということを意味しています。どちらかというとひ弱な印象がありますね。
「物分りがいい」「聞き分けがいい」「話がわかる」「融通がきく」「素直」「従順」「手がかからない」「飲み込みが早い」「一を聞いて十を知る」ここまで来ると「わからずや」の対極という感じです。
まとめ
「度し難い」の意味や用法について深掘りしてみました。
みなさんの周囲にも「度し難い」人、結構いるかもしれません。
私の周り? うじゃうじゃいますね。
でも、逆に、周りから「度し難い」と思われてないか、ちょっと心配だったりして。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。