「憧憬(しょうけい)」という言葉は、ご存知でしょうか。
ロマンチックな詩などによく使われる綺麗な語彙ですが、縁がない人にとってはまったくお目にかかったことのないものかもしれません。
日常的に使う言葉ではありませんが、知っていて損はないので、勉強だと思ってここで習得してしまいましょう。
それでは、以下で「憧憬」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「憧憬」の意味・読み方
「憧憬」は「しょうけい」または「どうけい」と読みます。
次に意味ですが、まずは「憧憬」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「憧(ショウ、ドウ)」は、「こころが落ち着かない様子」を意味します。
「憬(ケイ)」は、「さとる」「あこがれる」「遠く行く」などの意味があります。
この二文字を組み合わせた「憧憬」は、
「あこがれる」
「こころをうばわれる」
「うっとりと(遠くのものなどを)思い浮かべる」
という意味です。
「憧憬」の使い方
では「憧憬(しょうけい)」はどのように使う言葉でしょうか。
「憧憬(しょうけい、どうけい)」は、「あこがれ」を表す漢語で、主に文章中で使われます。ロマンチックだったり、メルヘンチックだったりする詩文では多用される表現です。
たとえば「憧憬の的」、「遠い異国のエキゾティックな風物に憧憬を抱く」などという形で用います。
普通に「憧れ」という言葉を使うより、ずっと格調高く、詩的な雰囲気になります。
類似した表現に「夢想(むそう)」がありますが、あこがれよりももっと漠然と何かを思い描く様子です。
逆に「思慕(しぼ)」は「恋しく、懐かしく思う」というように対象が限定されます。
「憧憬」の類義語・同義語
「憧憬(しょうけい)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「思慕(しぼ)」 誰かを恋しく、懐かしく思う気持ちです。
- 「敬愛(けいあい)」 尊敬し、親しみを持って接する様子です。
- 「心酔(しんすい)」 物事にのめり込み、心を奪われている様子です。
- 「傾倒(けいとう)」 心を傾けて熱中することです。
- 「礼賛(らいさん)」 素晴らしいと思って褒め称えることです。
- 「賛美(さんび)」 素晴らしいと思って褒め称えることです。
「憧憬」の対義語・反対語
「憧憬(しょうけい)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「幻滅」 熱狂的な思いがさめて、現実に戻り、がっかりすることです。
- 「失望」 期待が裏切られ、希望を失うことです。
- 「落胆」 期待を裏切られたショックで気力がなくなることです。
- 「ガッカリする」 落胆の俗語的表現です。
- 「さめる」 高揚した気分や、強い興味が薄らぐ(消える)ことです。
他にも類似した表現として以下のような例があります。
「引く」
「ドン引き」
「嫌悪」
「憎悪」
「憧憬」を使った例文
「憧憬(しょうけい)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 永年に渡って憧憬の対象であった女性の姿をひと目見た瞬間、その思いは落胆に変貌(へんぼう)した。
- アジアの大自然への限りない憧憬に突き動かされるようにして、僕はひとり旅に出た。
- 彼女が私に向ける憧憬の眼差しは、所詮(しょせん)子供っぽい思い込みに過ぎないものだと私には分かっていた。
- 彼の憧憬の念が満たされる日は決して訪れないだろう。
まとめ
以上、「憧憬(しょうけい)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「憧憬」だけではなく、「思慕」や「あこがれ」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。