「厭世的(えんせいてき)」という言葉は、ご存知でしょうか。
文章ではよく使われる語彙ですし、意味も難しくはないのですが、「厭」の字ヅラが、ちょっとイカツイので、見かけるたびにスルーしてしまっている、ということもあるかもしれません。
今日こそは、一歩踏み出して、「厭」を克服してみては?
そこで、以下では、「厭世的」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「厭世的」の意味
「厭世的」は「えんせいてき」と読みます。
次に意味ですが、まずは「厭世的」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
ポイントは「厭」です。
色々な字義がある字ですが、ここでは「あきる」「いやになる」という意味です。
「世」は「よのなか」「世間」。
「的」は「~である様子」です。
なので、「厭世的」は、「よのなかに飽きて、生きているのが厭(イヤ)になること」です。
「厭」も「嫌」もどちらも「イヤ」という意味ですが、「嫌」が積極的に憎むニュアンスを持つのに対して、「厭」は飽きてウンザリする、というニュアンスの違いがあります。
「厭世的」の使い方
「厭世的(えんせいてき)」は、やや固い調子の漢語なので、くだけた会話よりは、改まった会話や文章で主に使います。
「厭世」は、他に、「厭世観」、「厭世主義」や、「厭世家」という言葉でも使われます。
「厭世観」は「人生には生きる価値がないという消極的な考え」です。
「厭世主義」は「世の中に失望して、生きるに値しないとする考える方」や「物事の悪い面ばかりみて、なんでも否定的・悲観的に考える態度・傾向」を意味します。
「厭世家」は、上記のような考え方をもっている人、です。
「厭世的」の類義語・同義語
「厭世的(えんせいてき)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「ニヒリスティック」 あらゆるものは虚しいと考え、一切の価値を否定する態度や傾向です。
「虚無主義的」 これも同じ意味です。
他に、似た意味の言葉として、
「悲観的」
「ペシミスティック」
「ネガティブ」
「後ろ向き」
などが挙げられます。
「厭世的」の対義語・反対語
「厭世的(えんせいてき)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 確信的
「楽天的」
まず、はっきり対義語と呼べる言葉は、「楽天的」です。
これは「世の中、人生、物事に対して、楽観的な気持ちをもつこと」「境遇や状況に満足して、あくせくせず、のんびりしていること」を意味します。
「楽天家」は、楽天的な人のことです。
他に類似した言葉としては、
「ポジティブ」
「前向き」
「のんき」
などがあります。
場合によっては、
「おめでたい(人)」
も似た表現になるでしょう。
「厭世的」を使った例文
「厭世的(えんせいてき)」「厭世」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
「厭世的」「厭世」を使った例文
1・「厭世的な自殺をいつも考えているような暗い人。」
2・「彼は自分の容姿が醜いせいで、深い厭世観に取りつかれている。」
3・「そんなに何もかも厭世的にとらえていては、一歩も先には進めないだろう。わずかでも夢や希望を持つことを諦めてはいけないよ。」
4・「彼は一時的に気弱になっている訳ではなく、すべてに絶望しきった筋金入りの厭世主義者だった。」
まとめ
以上、「厭世的」の意味や用法について深掘りしてみました。
「厭世的」だけではなく、「悲観的」や「ネガティブ」など、さまざまな類語などを、うまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。