「ご自愛ください」という言葉は、手紙やメール文の末尾に添えて、相手のことを思いやる表現で、非常にしばしば使います。
「ご自愛ください」は礼儀正しいコミュニケーションのためには、必須、必修の重要表現といえます。
ぜひとも、正しくしっかり使いこなせるようにしたいですね。
そこで、以下では、「ご自愛ください」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「ご自愛ください」の意味
「ご自愛ください」の漢語「自愛」は文字通り「自分を愛する」ことで、意味としては「行いを慎むこと」「自分の利益ばかり考えること」などもありますが、「ご自愛ください」と使う場合には「病気などをしないように、自分自身で自分の体をいたわり大切にすること」を意味します。
「ご自愛ください」は「病気などをしないよう、自分の体をいたわって、気をつけてお過ごしください」という意味です。
手紙の文末に添えると、相手を思いやる丁寧な手紙になります。
まさに、日本人らしい、礼節や心ばえを表わす表現と言えるのではないでしょうか。
「ご自愛ください」の正しい使い方
「ご自愛ください」は、口頭で別れ際などに言ったりもしますが、やはり多くは手紙の文末、時候の挨拶のはがきの文末などに添えて使うのが一般的です。
- 寒中見舞い
- 暑中見舞い
- 残暑見舞い
などの締めの言葉としてふさわしい表現です。
- 季節の変わり目ですので、どうかご自愛ください。
- どうぞご無理などなさらないよう、くれぐれもご自愛くださいませ。
- 今年もどうぞ健やかに過ごされますよう、ご自愛ください。
などと用います。
「ご自愛ください」の間違った使い方
このように相手を思いやる、丁寧な言葉である「ご自愛ください」ですが、場合によって、使い方によっておかしい場合もあります。
1.「お体を」は付けなくてよい
「お体、ご自愛ください」「どうぞお体をご自愛ください」「お体を大切にご自愛ください」などと書くと、「自愛」自体に「体をいたわる」意味があるので、「体」が重複してしまいます。 「頭痛が痛い」「机上の上に」みたいになってしまいます。
2.病中の人に対しては使わない。
すでに病気で療養中の人に対して「ご自愛ください」という表現はふさわしくないとされています。 この場合には、 「一日も早いご回復を、心よりお祈りいたします」 「どうぞゆっくりと療養に専念なさって、ご回復のおりには、またご一緒できることを楽しみにしております」 などと書き添えるのがよいでしょう。
「ご自愛ください」を使った例文
「ご自愛ください」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- まだまだ暑さが続きますので、どうぞご自愛ください。
- 残暑が続いて、なかなか過ごしやすくなりませんが、○○様も、どうかご自愛の上、お過ごしくださいますよう。
- 寒さ厳しい折から、くれぐれもご自愛くださいませ。
- どうか体調をお崩しにならないよう、ご自愛専一に過ごされますようお願い申し上げます。
「ご自愛ください」への返事の仕方
丁寧な時候の挨拶には、丁寧な返信が欠かせません。
こんな表現がおすすめです。
- お気遣い、痛み入ります。○○さんも、どうかお体に気をつけて元気でお過ごしください。
- お心遣い、心から感謝いたします。○○さんも、健康にはくれぐれも留意なさってくださいませ。
- 丁寧なお見舞いを頂戴し大変うれしく思っております。○○さんも、くれぐれもお体をお厭いくださいませ。
- ○○さんのお心遣い、まことに嬉しく拝読いたしました。○○さんも、どうぞ健やかにお過ごしくださいますようお祈りいたします。
まとめ
以上、「ご自愛ください」の意味や用法について深掘りしてみました。
手紙や時候の挨拶で、使うことが多い重要表現です。いざという時に慌てないように、使いこなせるようになっておきましょう。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。