あなたは次の漢字の読み方は、A)とB)のどちらが正しいと思いますか?
業腹(ごうはら)
業腹(ごうふく)
「業腹」は、日本語能力試験や漢字検定でもよく出題される【読み間違いやすい漢字】です。
そう言われると、ぜひ知っておきたくなるものですよね!
この記事では、「業腹」の意味と読み方、使い方、類義語・同義語、対義語・反対語、そして「業腹」を使った例文をご紹介します。
「業腹」の意味
「業腹」は、「ごうはら」と読みます。冒頭のクイズだと、A)が正解になります。
小説などでは、「ごふはら」と読むこともあります。
「業腹」の意味は、【とても腹が立つこと。非常に不快に感じる様子。】です。
仏教用語で、地獄で罪人を焼く火のことを「業火(ごうか)」と呼ぶのですが、
【業火が腹の中でメラメラと燃える】⇒【とても腹が立つこと】となりました。
「業腹」を間違って「ごうふく」と読むと、「剛腹」という字を指してしまいます。
意味も別で、「剛腹」は【肝がすわっていること。度量の大きいこと】です。
混同しないように注意しましょう!!
「業腹」の使い方
「業腹(ごうはら)」という言葉は、日常会話ではあまり使わないかもしれません。
しかし、アニメやドラマなどでは時々耳にする言葉です。
音では知っていてもいざ書くとなると、それほど難しい漢字という訳ではないのに、すぐには書けないものですね。
「業腹」は、「腹が立った時」「不快でいらいらする時」などに用いる言葉です。
形容動詞なので、
「業腹だ」「業腹でない」「業腹だった」「業腹でなかった」や
「業腹な+名詞」として、「業腹な態度」のように使います。
なお「業(ごう)を煮やす」という慣用句がありますが、これは「業腹」の略で、正確には「業腹を煮やす」になります。
「業腹」の類義語・同義語
「業腹(ごうはら)」の代わりとして使いやすい言葉は、
「腹ただしい」や「むかつく」等です。
他の類語としては、【怒り】【不快感】【イライラ感】を表す言葉が使えます。
【名詞】 立腹、中っ腹(ちゅうっぱら)、不機嫌、不快、不愉快、憤り(いきどおり)
【形容詞】 いまいましい、苦々しい、いらただしい、くやしい
【動詞】 怒る、激怒する、憤慨(ふんがい)する、気色ばむ、ふくれる、むくれる
【慣用句】 腹が立つ、イラつく、苛立つ(いらだつ)、腹にすえかねる、癪に障る(しゃくにさわる)、業腹を煮やす、はらわたが煮え返る、向っ腹(むかっぱら)を立てる、地団太を踏む(じだんだをふむ)、柳眉(りゅうび)を逆立てる
擬態語(ぎたいご)を使うと「業腹」は、
(強め)カンカン、カッカ、カチン、ムカムカ、イライラ
(弱め)プンプン、プリプリ
などで表せます。
しかし【人の感情】、特に【怒りを表す表現】という物は、
使用頻度が多いせいか、慣用句や擬態語もたくさんあるものですね!
「業腹」の対義語・反対語
「業腹(ごうはら)」の対義語というのは残念ながらありません。
ですから反対語は「業腹でない」になります。
上記の類語に挙げた言葉も、
「腹ただしくない」「むかつかない」のように否定形にして使うことができます。
その他には、【怒り】【不快感】【イライラ感】を表す言葉の反対語を探す方法もあります。
ただし、この場合は
・何事も起こらない平常な状態
・誰かとの接触、もしくは何か起こったときの自分の反応
・誰かとの接触、もしくは何か起こって、一旦【業腹状態】になってから平常心に戻ったときの状態
これらの、どの状態を言いたいのかによって、相応しい言葉が変わるので注意しましょう。
たとえば【誰かに対して腹を立てる】の反対として考えると、その場合一番近いのは「許容」になります。
「業腹」を使った例文
最後に「業腹(ごうはら)」を使った文例をいくつかご紹介しますので、参考にしてください。
- この日のために毎日毎日練習してきたのに、試合中止になるなんて業腹だよ!!
- その男は帰り際、業腹まみれに捨て台詞を言った。
- このまま黙って引き下がるのも業腹だから、奴らにひとこと言ってくるよ!
- 彼女のために人生を捧げてきたのに、出て行ってしまうなんて業腹な仕打ちだ。
- あの喧嘩のあと、業腹でならなかったので、しばらく彼に会うのは避けた。
まとめ
以上、本記事では「業腹(ごうはら)」という言葉についてご紹介しました。
「業腹」は正しい読み方を覚えても、何故か再び「ごうふく」と読みそうになってしまう漢字なので注意しましょうね!
この記事を読んで、あなたが「業腹」の正しい読み方と意味を覚え、今後その知識を役立ててくれたらとても嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。