「排他的(はいたてき)」という言葉は、ニュースなどで頻繁に目にする言葉ですね。
漢字を見ると、だいたいの意味は想像がつくけれども、正しい使い方となるとちょっとあやしい。そんな人も多いのではないでしょうか。
せっかく出会ったこの機会に「排他的」を使いこなせるようになりましょう。
ということで、以下では「排他的」の意味や用法について深掘りしていきます!
「排他的」の意味
まずは「排他的(はいたてき)」の意味を確認していきましょう。
「排」という漢字は、「おしのける」「しりぞける」「おしだす」という意味で使われます。
「排他」の他にも「排水(はいすい)」や「排泄(はいせつ)」など、よく使う言葉ですよね。いずれも不要になったものを外に「押し出す」ことですね。
「排他」は「他」を「おしのける、しりぞける」わけですから、「排他的」の意味は、「他のものをおしのけること」「仲間以外のものを退(しりぞ)けること」ということです。
「排他的」の使い方
では「排他的(はいたてき)」はどのように使うのでしょうか。
例えば、「排他的な考え方」「身内びいきばかりするあの人は極めて排他的だ」などという形で使用します。
「排他主義」という言葉も使われます。「今度の大統領は極めつきの排他主義者だ」などと使います。
他にニュースなどでよく耳にする言葉に、「排他的経済水域(はいたてきけいざいすいいき)」があります。
その水域の水産資源や地下鉱物資源などを他国に利用させず、自国で独占できる水域という意味です。「他国」を「排除」しているわけです。
「排他的」の類義語・同義語
「排他的」「排他」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 排撃(はいげき)
- 排斥(はいせき)
- 爪弾き(つまはじき)
- 独占(どくせん)=他には使わせないという意味で似た表現
- 疎外=(そがい)疎んじて近づけないという意味で似た表現
などが挙げられます。
一歩踏み込んだ、具体的な例としては
「排日」=日本の勢力を排斥(はいせき)すること。
「排外」=外国の事物を排斥すること。
「反米」=アメリカ的なものは何でも排撃する。
などが挙げられます。
「排他的」の対義語・反対語
「排他的」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 協調的=他と協力し調和している様
- 包括的=すべてひとまとめに包み込んでいる様
があります。
他にも「排他的」や「排他」の反対の意味合いの言葉として
「協和(きょうわ)」
「宥和(ゆうわ)」
「和合(わごう)」
「調和(ちょうわ)」
「寛容(かんよう)」
「共存(きょうぞん)」
「友好的(ゆうこうてき)」
「包含的(ほうがんてき)」
「度量(どりょう)が広い」
「雅量(がりょう)がある」
「分け隔(へだ)てない」
なども挙げられるでしょう。
「排他的」を使った例文
「排他的」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
「排他的」を使った例文
- 排他的な選民思想(せんみんしそう)にこりかたまったカルト教団
- 排他的な本性を剥き出しにしたとたん支持を失った政治家
- ロシアの排他的経済水域で違法操業を行っていた漁船が拿捕された
- 『甘い』と『辛い』は互いに排他的な味覚ではなく、『甘辛い』という共存的な味覚もある
まとめ
以上、「排他的」の意味や用法について深掘りしてみました。
「排他的」だけでなく、類義語や対義語も上手に駆使して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
やたらと「排他的な」雰囲気が目につく昨今ですが、いま少し「寛容」になれるよう心がけたいものですね。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。