「諮る」という言葉は、知っていましたか?
初めて出会う、見たことがない、そもそも何と読むのか、と思った人も結構いるのではないでしょうか?
しかし、ビジネスシーンではしばしば使われる語彙ですし、聞いたときに「?」となると、ちょっと恥ずかしいかもしれません。
そこで、以下では、「諮る」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「諮る」の意味と読み方
まず最初に、意味と読み方を確認しておきましょう。
「諮る」の意味
まず「諮」という漢字を確認していきましょう。
この「諮」という字は、「はかる」「問う(とう)」という意味があり、特に、本来は「上の者が下の者に相談を持ちかける」という意味で使われます。
この字を使った熟語では「諮問(しもん)」がよく使われます。
「諮問機関」といえば、内閣などが政策を決めるために学者などを集めて、ある問題について問いかけ、知恵を出してもらうものです。やはり「上→下」の関係にありますね。
しかし、「諮る」は、特に上下の関係でなくても使用される場合もあるようです。
「諮る」の読み方
次に「諮る」の読み方ですが、これは「はかる」と読みます。
「はかる」という和語は、和語として一つの単語ですが、実にたくさんの漢字が当てられます。
「測る」「量る」「計る」「諮る」「図る」「謀る」などなど。
それぞれ違った漢字を当てることによって、一つの和語が持つ、多様な意味の広がりが、区別されています。
「諮る」の使い方
「諮る」は、硬い印象がある和語で、改まった会話や、文章で用います。
内容的にも、ただ単純に「相談する」よりも公式な場面で使用します。
会議などに、改まった感じで議題を提出する場合などに「諮る」が使われます。
「理事会に諮る」
「職員会議に諮る」
などです。
同じように「計らう」という言葉も、何かを考えてもらうためにテーマを提出する言葉ですが、「諮る」に比べればずっとくだけた調子です。
「みなさんに計らいましょう」などと使用します。
「諮る」の類義語・同義語
「諮る」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「計らう」
- 「談じる」
- 「談合」
- 「鳩首」
- 「膝を交える」
- 「額を集める」
などの類語がありますが、こうしてみると「諮る」の堅苦しさは群を抜いていますね。
「談合」は、集まって物事を決める意味ですが、現在では企業がいけないことを示し合わせるような悪い印象が強いですね。
「鳩首」は、ハトの首、ではなく、「鳩」は「あつめる」という意味です。
「鳩首協議する」などと使います。
「諮る」の対義語・反対語
では「諮る」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「具申する」
- 「申し立てる」
これは、「諮る」とは上下関係が逆で、下の者が上のものに意見を出したり、検討してほしい事を提示する言葉です。
- 「答申する」
これは「諮問する」の対義語で、諮問された側(諮問機関など)が、検討した結果、その結論を、上のものに答える、という意味です。
- 「独断」
- 「専断」
- 「独り決め」
これらは、「人に相談しないで決める」という意味で、「諮らない」ということになるので、反対表現と言えるでしょう。
「諮る」を使った例文
「諮る」「諮問」はどのように使うのでしょうか。
以下に例文を挙げてみました。
- 有識者会議に諮問するというのは形だけにすぎず、政権の方針はとっくに決定済みだ。
- 出席日数の足りない生徒の進級の可否を、職員会議に諮る。
- 修繕積立金の取り崩しについては、理事会に諮る必要がある。
- 一応会議には諮ってみますが、まず通ることはないと思うので、期待しないでくださいよ。
まとめ
以上、「諮る」の意味や用法について深掘りしてみました。
ビジネスの場面や、公の団体に関わる会議など、使われる場面は多いと思います。
ぜひ、「諮る」を使いこなせるようになって、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。