「佩刀」という言葉は、ご存知でしょうか。
まず「佩」という文字があまり使わない珍しい文字ですし、読み方も意味も謎なのではないでしょうか。
ただ、歴史に興味のある人や、最近にわかに盛り上がってる日本刀ブームに興味のある人などは知っている言葉かもしれません。
それでは、以下で「佩刀」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「佩刀」の意味・読み方
「佩刀」は「はいとう」と読みます。「はかせ」「はかし」とも読みます。
次に意味ですが、まずは「佩刀」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「佩」は「腰につけるかざり玉」「帯びる」「はく」(※)「腰に下げる」「身につける」という意味です。
「刀」は「かたな」です。
この二文字からなる熟語「佩刀」は、
「刀を腰につけること」
「腰につけた刀」
という意味です。
「はかし」「はかせ」と読む場合「貴人の佩刀の尊敬語」となります。
※「はく」は「佩く」と書き、「武器を身につけること」を意味します。「佩刀する」を和語に直せば「刀を佩く」となります。
「佩刀」の使い方
では「佩刀(はいとう)」はどのように使う言葉でしょうか。
「佩刀」は、「刀を腰につけること」ですので、現実的には使う場面は少ないと思われます。
そもそも骨董品の蒐集家か、任侠組織の親分のような人でない限り、本物の日本刀を手にする機会すらないでしょうし、現実に町中で「佩刀」していたら銃刀法違反で捕まってしまいます。
なので、この言葉は歴史小説などのフィクションの中で用いる言葉であり、歴史資料・古文書などの中で出てくる言葉だと言えます。
「佩刀」の類義語・同義語
「佩刀(はいとう)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「帯刀(たいとう)」 刀を帯びる(身につける)ことです。
- 「帯剣(たいけん)」 剣を帯びる(身につける)ことです。
- 「佩剣(はいけん)」 剣を腰に下げることです。
- 「刀を帯びる」 「帯刀する」の和語的表現です。
- 「剣を佩く」 「佩剣する」の和語的表現です。
- 「太刀を佩く」 長くて大きい刀を腰に下げることです。
「佩刀」の対義語・反対語
「佩刀(はいとう)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「武器を身につけている」ことの反対は「何も武器を持っていないこと」になるので、それに類する表現を挙げておきます。
- 「丸腰(まるごし)」 武士が腰に刀を下げていないことを指します。
- 「寸鉄も帯びず」 「寸鉄」は短い刃物を指しますので「何の武器も持っていない」という意味になります。
- 「無防備(むぼうび)」 敵を防ぐ手立てが何もない状態です。
- 「裸同然」 裸と同じぐらい無防備な様子です。
- 「徒手空拳」 武器を何も持たないことです。素手。
「佩刀」を使った例文
「佩刀(はいとう)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- この城内の掟でございますゆえ、ご佩刀などはお預かりさせていただきとう存じます。
- 殺気を感じて、咄嗟に佩刀に手をかけた。
- 佩刀が許されているのはお侍様だけでござる。
- 年若い家来が二人、領主様の御佩刀(みはかし)を掲げ持って、戸口の外に控えていた。
- 佩刀に手をかけたと思ったときには、敵は血飛沫をあげて倒れていた。
まとめ
以上、「佩刀(はいとう)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「佩刀」だけではなく、「帯刀」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。