「半可通(はんかつう)」という言葉は、ご存知でしょうか。
見たことはなくても、当てずっぽうで漢字を読めば、だいたい推測は出来そうな言葉です。
ただ、かなり古めかしい表現なのは確かなので、知らなくても無理はない言葉だとも言えます。
意味は難しくないので、この機会にチャチャっと「半可通」を習得してしまいましょう。
それでは、以下で「半可通」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「半可通」の意味・読み方
「半可通」は「はんかつう」と読みます。
次に意味ですが、まずは「半可通」の漢字を確認していきましょう。
「半」には、「わずか」「不十分」という意味があります。
「半可」で、不十分で、未熟ということを意味します。
「半可通」とは、その道の「通(玄人、専門家)」のような顔をしているが、未熟で不十分な様子をいいます。
一言で言えば、
「知ったかぶり」
という意味です。
「半可」は「生半可(なまはんか)」という言葉に使われているのと、同じ要素です。「生(なま)」にも、「未熟」「不十分」「世慣れない」などの意味があります。
※北海道方言の「はんかくさい」も、この「半可」から来ているようです。
「半可通」の使い方
では「半可通(はんかつう)」はどのように使う言葉でしょうか。
「半可通」は、通ぶっている、専門家ぶっている、玄人ぶっているのに知識が足りず、見識が浅いなど、未熟な様子を揶揄して使う言葉です。
「半可通を振り回す」
「半可通な理屈」
などと言います。
「知ったかぶり」を指摘されるのはかなり恥ずかしい状況ですので、なるべく「半可通」などと言われないよう「生半可」な知識は披露せず、謙虚にしているに越したことはありませんね。
※余談ですが、岩波書店の『広辞苑』には「半可通」の項目がありません。ちょっと驚きですね。
「半可通」の類義語・同義語
「半可通(はんかつう)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「知ったかぶり」 実際は知らないのに知っているような様子の人
- 「一知半解」 一通り知っているようでも本質までは分かっていない様子
- 「生半可」 知識や行動が中途半端で徹底を欠く様子
- 「利いた風」 分かりもしないのによく知っているような態度を取る様子
- 「なまかじり」 知っているようだが、実は深いところまでは知らない様子
「半可通」の対義語・反対語
「半可通(はんかつう)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「よく知らないのに知っているような態度を取る」ことの反対を「本当によく知っていること」とすれば、以下のような例が挙げられます。
- 「通(つう)」 その道のことによく通じている人。通人(つうじん)
- 「玄人(くろうと)」 その道を専門にして、技量や知識に優れている人
- 「専門家」 その方面に関する高度な知識・技量を持っている人
「半可通」の逆を、「まったく何の知識も持ち合わせないこと」と考えると
「素人」「ど素人」「門外漢」などが対照的な表現と言えるでしょう。
「半可通」を使った例文
「半可通(はんかつう)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 花街では半可通や野暮(やぼ)は軽蔑され、通(つう)や粋(いき)が尊ばれた。
- あの人は、何に対してもろくろく知識もないのに、いちいち半可通を振り回して恥ずかしいったらないよ。
- 本当の通人は口数が少なくて、半可通ほど中途半端な知識をべらべらとまくしたてるものです。
- むやみに芸術や思想の新潮流を語ってみせる半可通。
まとめ
以上、「半可通(はんかつう)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「半可通」だけではなく、「知ったかぶり」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
[…] 半可通(はんかつう) […]