「罅」という言葉は、ご存知でしょうか。
あまりに難しい漢字ですので、読めないという人は案外多いのではないでしょうか。
読めたとしても、書けと言われるとかなり厳しいと思います。
しかし、この言葉自体は誰でも知っていて、日常的によく使っているはずです。
それでは、以下で、「罅」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「罅」の意味と読み方
「罅」は「ひび」と読みます。
読み方さえ分かってしまえば、意味の解説は不要といってもいいぐらい日常的な言葉でした。
しかし念の為、漢字も確認しておきましょう。
「罅」の偏(へん)である「缶」はもともと土器を表します。右側のつくりは「欠ける」という意味です。
「罅」という字は「ひび」「土器の割れ目」「ひびが入る」「すきま」などを意味します。
日本語の「ひび」の意味は、次の項目で詳しく紹介します。
「罅」の正しい使い方
「罅(ひび)」の意味として、大きく2つがあります。
- 「皮膚の表面が乾燥して、小さい亀裂を生じたもの」これがひどくなると「あかぎれ」です。
- 「陶器や大地などの表面に出来る細かい割れ目や裂け目」
1の意味の罅が出来ることを「罅がきれる」と言います。
また「罅が入る」という言葉は、上記の1・2の意味の罅が生じることですが、比喩的な用法として「良好だった人間関係がうまくいかなくなる」という意味で使用されます。
仲良しだったはずの人との関係が些細な行き違いから、関係に罅が入ることはよくありますね。
「罅」の類義語・同義語
「罅(ひび)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 皹(あかぎれ)
- 亀裂
- ひびき
- ひびれ
- ひびり
「皹(あかぎれ)」 手の表面などに出来る罅のうち、ひどくなってしまったものを言います。
冬場など、水仕事を多くしていると出来やすいのでお手入れを欠かしてはいけません。
「亀裂」 これは罅と同様ですが、罅以上に大きな裂け目にも用います。
「罅」の対義語・反対語
「罅(ひび)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
言葉の性質上、対義語というものはありませんが、罅がない状態が対照的な状況だと考えられますので、そのような表現をあげてみます。
- 「すべすべ」
- 「肌理(きめ)の細かい肌」
- 「赤ちゃん肌」
- 「つややかな表面」
- 「つるつる」
- 「なめらか」
- 「傷一つ無い」
- 「光沢がある」
また「人間関係に罅が入る」の対照的な状況を示す言葉として、
- 「良好な関係を保つ」
- 「仲直りする」
- 「信頼回復」
などが挙げられます。
「罅」を使った例文
「罅(ひび)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 「昔は金箔を施して見事な外観だったが、今では罅が入ったり、あちこち剥げたりして見苦しい。」
- 「ああいう狭量な人間との関係にいったん罅が入ってしまうと、修復の可能性は限りなくゼロに近い。」
- 「冬になるとどうしても手の指に罅が切れてしまって、もう痛くてやりきれない。」
- 「旱魃で湖が干上がり、乾いて罅だらけの湖底が姿を見せている。」
まとめ
以上、「罅(ひび)」の意味や用法について深掘りしてみました。いかがだったでしょうか。
「罅」だけではなく、「亀裂」や「あかぎれ」など、さまざまな類語や、対義語など、うまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。