「彼我(ひが)」という言葉は、ご存知でしょうか。
使われている漢字から推理すると、「かれ」と「わたし」ということになりそうですが、そんな文字通りでいいのでしょうか。
「彼我」という熟語を、じっと眺めてみても、意味は分かるような気がしても、使い方が分からない。そんな言葉ではないでしょうか。
そこで、以下では「彼我」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「彼我」の意味
「彼我」は「ひが」と読みます。
次に意味ですが、「彼我」の漢字の意味は、「彼」も「我」も、とても使い慣れている漢字なので大丈夫だと思いますが、一応確認しておきましょう。
「彼」は「かれ(三人称)」、「あの人」、「あちら」「あの」などの意味があります。
「我」は「われ(一人称)」、「わたしの」、「片意地、頑固」などの意味があります。
そして、「彼我」という熟語の意味は、
「彼と私」
「他人と自分」
「むこうとこちら」
「相手と自分」
などです。
本当に文字通りでした。
漢文の場合は「敵と味方」という意味も出てきます。
「彼我」の使い方
では「彼我(ひが)」という熟語はどのように使うのでしょうか。
「彼我」はとても硬い印象のある漢語ですので、主にかしこまった文章中で用います。
たとえば「彼我の力量の差」「彼我の利害関係」「彼我の距離」などと使えます。
ポイントとしては、「彼」「我」と書きますが、人間に限るわけではなく、団体でも、企業でも、地方でも、国でも、なんでも表して使えるという幅の広さがあります。
たとえば、国の比較をするなら「留学先では彼我の習慣の違いに注意」などと使えます。
「彼我」の類義語・同義語
「彼我(ひが)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 自他 =自分と他人ということですが、これも、人間に限らず幅広く使用できます。
- 双方
- 両方
- 二者
- 相互
- お互い
などが似た表現として挙げられます。
「彼我」の対義語・反対語
「彼我(ひが)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
明確に対義語と言えるような表現はないようです。
そもそも、「彼我」という熟語の意味は、「彼と私」「他人と自分」「むこうとこちら」「相手と自分」というように、二者を対比させるところにポイントがあるのでした。
とすると、その反対の状況というのは、「比較対象がない」というのが近いかもしれません。
- 一人
- 単体
- 個人的
- 単独主義
- 独り決め
などが、対照的な表現になるでしょう。
「彼我」を使った例文
「彼我」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 西洋諸国を歴訪して、彼我の文化の厚みの差に打ちのめされた。
- ライバル社との協議を重ね、彼我の利害関係の調整は可能だと判断した。
- 彼我のイケメン指数の格差は、必ずしもモテ度の差に比例しないと信じたい。
- 彼我の主張の対立は、容易に解消できるとは思えない。
- 彼我それぞれ二百騎を超える大軍が川を挟んで対峙し、開戦の合図を待っていた。
まとめ
以上、「彼我」の意味や用法について深掘りしてみました。
「彼我」だけではなく、「自他」や「双方」など、さまざまな類語や対義語も、うまく活用して、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。