「一様」という言葉は、ご存知でしょうか。
いちさま? はじめさま? いいえ、そうではないんです。
「一様」は、使われている漢字こそ難しくはないですが、あまり使ったことがない、目にしたことがない、という場合も多い言葉かもしれません。
そこで、以下では、「一様」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「一様」の意味
「一様」は「いちよう」と読みます。
次に意味ですが、まずは「一様」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「一」は「ひとつ」です。
「様」は「~である様子」です。
なので、文字通りには「様子がひとつだ」となります。
ということで、「一様」の意味は、
「同じ様子」
「同様」
「変わったところがない。普通」
「どれをとってもほとんど変わりがない様子」
ということになります。
比較や観察の対象になる物事のどれもが、すべて同じようである様子を指します。
「一様」の使い方
では「一様(いちよう)」はどのように使う言葉でしょうか。
「一様」は、さほど難しくない漢語ですので、あらゆる文章や会話の中で使用されます。
ただし、会話で喋る場合には、「いちよう」と「一応(いちおう)」の音が紛らわしいので、聞き間違えのないように注意して発音しましょう。(なかには、そもそも「一様」と「一応」を混同して覚えている人もいるかもしれません。)
ある集団の皆が同じ様子という場合に「全員が一様にドブネズミ色の背広を着たサラリーマンたち」などと使用します。
「一様」の類義語・同義語
「一様(いちよう)」「一様に」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「同様」=同じ様子
- 「一律に」=どれもいつも同じ調子で変化がないこと。また、全員に同じ基準を適用する場合にも使う
- 「おしなべて」=関連するすべてに渡って、同じような傾向が見られる場合に使う
- ひとしなみ
- 概して
- ワンパターン
- 月並み
「一様」の対義語・反対語
「一様(いちよう)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「多様」=様子が一種類ではなく多数あることです。
- 「多種」=種類が一種類ではなく多数あることです。
- 「多種多様」=上記の組み合わせです。
- 「多彩」=彩りに富むことです。
- 「バラエティに富む」=変化に富むことです。
- 「様々」=いろいろな様子があることです。
他にも、類似した表現として
「色々」
「種々雑多」
などが挙げられます。
「一様」を使った例文
「一様(いちよう)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
1・「見た目は平凡だが、ちょっと話してみると尋常一様の人物ではないことがわかる。」
2・「町の有力者は、みな一様に高台に豪邸を構えており、下町にすむ庶民を見下ろしている。」
3・「街並みも樹々も人々も、一様に柔らかな夕日を浴びてオレンジ色に染まっている。」
4・「奴隷たちは、一様に疲労と空腹を訴えたが、強制労働は続いた。」
まとめ
以上、「一様」の意味や用法について深掘りしてみました。
「一様」だけではなく、「一律」や「おしなべて」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。