「畏敬の念」の意味と使い方を解説!「畏敬の念を抱く」とは?

畏敬の念

「畏敬の念」という言葉は、よく使用される表現です。

しかし「畏」の字はあまり使われない漢字ですし、なんとなくやりすごしてしまうことの多い語彙かもしれません。

せっかく出会ったこの機会に、きっちり理解して、使いこなせるようになりたいですね。

そこで、以下では「畏敬の念」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「畏敬の念」の意味と読み方

まずは、「畏敬の念」の意味や、読み方についてご説明します。

「畏敬の念」の意味

「畏敬(いけい)の念」は「相手の偉大さに畏れ多いと感じてかしこまるほどに敬服する気持ちという意味で使われます。

「畏敬の念」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。

「畏」は、「おそれる」「かしこまる」です。

「敬」は「うやまう」です。

「念」は「おもい」という意味です。

「畏敬の念」の読み方

畏敬の念」はいけいのねんと読みます。

「イは、いふ(畏怖)するのイ」「ケイは、そんけい(尊敬)のケイ」「ネンは、ねんりき(念力)のネン」と覚えてもいいですね。

「畏敬の念を抱く」とは

「畏敬(いけい)の念を抱(いだ)く」は、上の「意味」の項目で説明した気持ちを、「心に抱く」ということです。

単なる尊敬の念ではなく、相手を「畏(おそ)れる」つまり、高く仰ぎ見る気持ちが込められています

詳しくは、次の「使い方」の項で説明します。

「畏敬の念」の使い方

では「畏敬の念(いけいのねん)」の使い方の注意点はなんでしょうか。

「畏敬の念」というとき、この言葉には「(おそ)れる」気持ちと、「(うやま)う」気持ちが、両方入っているということがポイントになります。

そこが「尊敬」とは区別される点です。

「尊敬」は、例えば友人や同僚など、自分と同格の存在の優れた点について言うときにも使える語彙です。

 

しかし、「畏敬」は「おそれ、かしこまる」のですから同格の相手には使いません

「畏怖」とも違います。

「畏怖」はおそれて縮こまるだけで「尊敬」「敬服」の気持ちが入っていないからです。

「畏敬の念」の類義語・同義語

「畏敬の念(いけいのねん)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。

以下に、例をあげてみましょう。

「畏敬の念」の類義語・同義語
  • 敬畏(けいい)
  • 崇敬(すうけい)
  • 敬仰(けいぎょう)
  • 畏懼(いく)
  • 推尊(すいそん)
  • 尊崇(そんすう)
  • 讃仰(さんぎょう)

などが、類義語として挙げられるでしょう。

「崇敬(すうけい)」の「崇」は「あがめる」なので、やはり、上位の存在を仰ぎ見る表現です。

「畏懼(いく)」の「懼」は「おそれる」意味です。

「讃仰(さんぎょう)」も「讃」は「ほめたたえる」、「仰」は「(うえを)あおぐ」という意味です。

「畏敬の念」の対義語・反対語

「畏敬の念(いけいのねん)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。

以下に、例をあげてみましょう。

「畏敬の念」の対義語・反対語
  • 軽蔑(けいべつ)
  • 軽侮(けいぶ)
  • 侮蔑(ぶべつ)
  • 卑しむ(いや)
  • 見下す
  • 見下げる
  • 見縊る(みくびる)
  • 侮る(あなどる)
  • 蔑む(さげすむ)
  • 蔑視する(べっし)
  • 軽蔑する(けいべつ)
  • 馬鹿にする

などが、反対表現として挙げられるでしょう。

自分よりも、相手を下に見る、そして、軽んじる、という意味合いがあると、「畏敬」の逆の表現と言えるでしょう。

「畏敬の念」を使った例文

「畏敬の念(いけいのねん)」はどのように使うのでしょうか。

以下に例文を挙げてみました。

「畏敬の念(いけいのねん)」を使った例文
  1. 書く小説全てがベストセラーとは、畏敬の念を覚える他ない。
  2. 七大陸最高峰を制覇した女子大生の話は、畏敬の念に打たれた。
  3. 勤続四十年の大先輩に、畏敬の念を禁じ得ない。
  4. 非行少年の更生という、報われることの少ない社会奉仕に永年従事した彼を思うと、畏敬の念に堪えない。
  5. 億万長者といえども、金を稼いだだけでは、畏敬の念を持つに値しない。
  6. 私は、樹齢千年を超えるという巨木を、畏敬の念を込めて見つめた。

まとめ

以上、「畏敬の念(いけいのねん)」の意味や用法について深掘りしてみました。

「畏敬の念」を覚える存在は、身の回りにいるでしょうか。

いないとしても、「畏敬」の意味は覚えておいて損はありません。この言い回しを身に着けて、表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。