「惹起」の意味と使い方を解説!「惹起」を使った例文を紹介

惹起

「惹起(じゃっき)」という言葉は、ご存知でしょうか。

「惹」はあまり使用頻度の高くない文字ですし、ぱっとみても意味が取りづらいという人もいるのではないでしょうか。

しかし、割と頻繁に目にする語彙でもありますので、この機会にマスターしても損はありません。
それでは、以下で「惹起」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「惹起」の意味・読み方

「惹起」は「じゃっき」と読みます。

次に意味ですが、まずは「惹起」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
」は「ひく」「まねく」という意味のある漢字です。
」は「おこす」です。

この二文字が合わさった熟語「惹起」の意味は、
「事件・問題などをひきおこすこと」
となります。

和語の「ひきおこす」にも「惹き起こす」という同じ漢字が当てられる場合もあります。
「(事件・問題などを)ひきおこすこと」と問題・事件をカッコ入れしている語釈もありますが、いずれにせよ、あまりいいことが起こったときには使わない言葉です。

「惹起」の使い方

では「惹起(じゃっき)」はどのように使う言葉でしょうか。

まず、会話では「惹き起こす」「惹き起こされる」と和語で喋ることがほとんどでしょう。

やや固い語感がありますので、フォーマルな文章中で「惹起する」と使います。

また意味の項目でも軽く触れましたが、あまりいいことが起こったときには使わず、事件や問題など、起こってほしくないような対象に対して使います。

例えば「敵意を惹起」「混乱を惹起」「凶悪犯罪を惹起」「重大事件を惹起」などです。

「惹起」の類義語・同義語

「惹起(じゃっき)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

惹き起こす」 惹起の和語版。
齎す(もたらす)」 何かを他所から持ってくる(伝える)こと。
引き寄せる」 自分の方へ持ってくること。
招く」 これも、自分の方へ持ってくること。
催す」 「会などを開くこと」と「何かが原因になって生理現象・精神的状態などを生じる」ことを意味する。

他にも、
生起する
生じる
生み出す
来す(きたす)」
などがあります。

「惹起」の対義語・反対語

「惹起(じゃっき)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

明確に対義語と言える語はないようですので、対照的な状態を表す表現を挙げておきます。

退(しりぞ)ける」 こちらに寄せるのではなく、向こう側に追いやったり、何かを拒絶したりすること。
終焉(しゅうえん)する」 何かが起きるのではなく、何かが終わること。
終息(しゅうそく)する」 これも何かが終わる様子。
頓挫(とんざ)する」 何かが途中で行き詰まること。
収縮(しゅうしゅく)する」 何かの勢いが小さくなること。

「惹起」を使った例文

「惹起(じゃっき)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

「惹起(じゃっき) 」を使った例文
  1. これ以上庶民の暮らしを締め上げると、民衆の反乱や暴動を惹起しかねない。
  2. 首相の不用意な発言が、日本中を揺るがす不祥事の連鎖を惹起した。
  3. 裁量労働制は、必ずや過労死の増加を惹起するであろう。
  4. あの二人の結婚を認めると親戚中に不和を惹起しかねない。
  5. 地震によって惹起される津波がさらに被害を甚大にする。

 

まとめ

以上、「惹起」の意味や用法について深掘りしてみました。

「惹起」だけではなく、「生起する」などのさまざまな類語や、対義語などをうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。