「昵懇(じっこん)」という言葉は、ご存知でしょうか。
漢字を見ただけで難しさに「ウッ!」となる人もいるのではないでしょうか。
でも、改まった会話や文章ではしばしば登場する表現ですので、せっかく出会ったこの機会に、バシッと覚えてしまいましょう!
ということで、以下では「昵懇」の意味や用法について深掘りしていきます。
「昵懇」の意味
「昵懇」は「じっこん」と読みます。漢字は「入魂(じっこん)」とも「昵近(じっこん)」とも書く場合があります。
よみかたは「じゅこん」→「じゅっこん」→「じっこん」と変化していまの読みになりました。
次に意味ですが、まずは「昵懇」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「昵」は「ちかづく」「なれしたしむ」という意味です。
「懇」は「まごころをつくす」「したしむ」という意味です。
この似た意味の文字二つを重ねた「昵懇」は、「とても親しく、心安いこと」「親しく付き合って、遠慮がない様子」を表します。
「昵懇」の使い方
「昵懇(じっこん)」は、やや古めかしく、かしこまった印象の漢語です。主に、改まった会話や文章中で用います。
「オレとヤツはマブダチで」と「私と彼は昵懇の間柄で」は、意味は同じですがかなりニュアンスが違いますね!
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ビジネスレターなどで「今後とも、ますます御昵懇に願います。」などとも使います。大人同士の、仕事上の付き合いで「仲良くしてください」では格好が付きません。
「昵懇」はかしこまった表現だけに、「マブダチで」とか「悪友で」とか「腐れ縁で」に比べると、「よそよそしい感」もあります。そういう場合に使う言葉だとも言えるでしょう。
「昵懇」の類義語・同義語
「昵懇(じっこん)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 誼(よしみ)
- 誼(よしみ)を結ぶ
- 誼(よしみ)を通じる
- 厚誼(こうぎ)
- 交誼(こうぎ)
- 友誼(ゆうぎ)
- 懇意
- 懇親
- 親密
- 馴染み
- 切っても切れない間柄
- 仲がいい
- 親しい
など、多数の類語があります。親しさを表す表現は数多くあるのですね。
「昵懇」の対義語・反対語
「昵懇(じっこん)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 疎遠(そえん)=訪問や連絡が途絶え、距離があき、近況がわからなくなり、なじみがなくなること
- 余所余所(よそよそ)しい
- 他人行儀(たにんぎょうぎ)
- ギスギスする
- 関係にヒビが入る
- 険悪になる
これらが近い表現だといえます。
他に、もともと何の交流もなかった場合には、
「無縁」
「無関係」
「赤の他人」
などの表現があります。
「昵懇」を使った例文
「昵懇(じっこん)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
「昵懇」を使った例文
- 今後とも、どうか御昵懇にお付き合い願います。
- 彼とは大学時代から昵懇の間柄だったが、気づけば十年近く連絡が途絶えてすっかり疎遠になってしまった。
- あなた様は、あちら様とは大変に昵懇の仲と伺っております。どうかお取次ぎをお願いできないでしょうか。
- その件については昵懇にしている弁護士がいますので、相談しておきましょう。
まとめ
以上、「昵懇」の意味や用法について深掘りしてみました。
「昵懇」だけではなく、「誼(よしみ)」や「馴染み」など、さまざまな表現を使い分けて、ぜひ、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。