「述懐」の意味と使い方を解説!「述懐」を使った例文を紹介

述懐

「述懐(じゅっかい)」という言葉は、ご存知でしょうか。

漢字を見てみると、「述」も「懐」も、それほど難しそうではないのに、組み合わさるとなんだかよくわからない、ということもあるのではないでしょうか。

日常会話などで多用する表現ではありませんが、文学作品等にはしばしば登場する語彙ですので、いまここで押さえておいて損はありません。

それでは、以下で「述懐」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「述懐」の意味・読み方

「述懐」は「じゅっかい」と読みます。

次に意味ですが、まずは「述懐」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
」は「のべる、いう」です。

」は「ふところ」「なつかしい」「なつく」など色々な意味がありますが、ここでは「おもう」「いだく」の意味です。

この二文字を合わせた熟語「述懐」の意味は、
心中の思いを述べること
しみじみと思い出を述べること
となります。

※江戸時代には「しゅっかい」と読み、「不平不満や愚痴を述べること」という意味がありました。

「述懐」の使い方

では「述懐(じゅっかい)」はどのように使う言葉でしょうか。

「述懐」は、日常会話よりも、文学作品や、それについて論評した文章などで用いられることが多い言葉です。

また、特に漢詩や和歌、連歌などで、心中の思いを詠むことを「述懐」といい、それを主題とした詩歌の題としても使われます。

また「述懐」を題として歌を詠むことを「述懐詠」といい、そのような歌を「述懐歌」と言います。
「述懐歌」としては藤原俊成の「述懐百首」などが有名です。

「述懐」の類義語・同義語

「述懐(じゅっかい)」「述懐する」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「述懐(じゅっかい)」の類義語・同義語
  • 「吐露する」 自分の思いなどを隠さずに述べること。
  • 「白状する」 知られたくないことをありのままにいうこと。
  • 「打ち明ける」 知られていなかった内情や本心を隠さずに話すこと。
  • 「さらけだす」 本心を表に出すこと。
  • 「本心を述べる」 嘘偽りなく話すこと。
  • 「ぶっちゃけ、ぶっちゃける」 芸人などが多用します。「ぶち」は「うち」の強調した形で、「ぶちあける」が音便化しました。

 

「述懐」の対義語・反対語

「述懐(じゅっかい)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

言葉の性質上、明確な対義語がないようですので、対照的な状況を示す表現を挙げます。

「述懐(じゅっかい)」の対義語・反対語
  • 「本心を隠す」 文字通りの意味です。
  • 「隠匿」 (悪事などを)包み隠すことです。
  • 「沈黙」 黙って何も語らないことです。
  • 「心にもないことをいう」 本当には思っていないことをいうことです。
  • 「建前を言う」 本音とは違う、耳障りの良いことをいうことです。

「述懐」を使った例文

「述懐(じゅっかい)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

「述懐(じゅっかい) 」を使った例文
  1. 近所のおじさんをつかまえてつらい思いを縷々(るる)述懐すると、おじさんも一緒になって涙を流した。
  2. 本音を包み隠さず述懐するのもいいが、相手を選んで話さないと。世間体というものもある。
  3. 二人はあれこれと思いつくままに述懐しながら、ゆっくりと家路を辿った。
  4. 人は私のこんな述懐を笑うだろうか。

まとめ

以上、「述懐(じゅっかい)」の意味や用法について深掘りしてみました。

「述懐」だけではなく、「吐露する」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。