「角が立つ」の意味と使い方を解説!「角が立つ」の例文を紹介

角が立つ

「智(ち)に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。兎角(とかく)に人の世は住みにくい。」

夏目漱石の「草枕」の冒頭ですね。

この「角が立つ(かどがたつ)」という表現は普段の生活でもよく聞きますが、果たして私たちは正しく使っているのでしょうか。

この記事では、「角が立つ」の意味、使い方、類義語・同義語、対義語・反対語、そして「角が立つ」を使った例文をご紹介します。

「角が立つ」の意味

「角が立つ」の読み方は、「かどがたつ」です。

意味は「事が荒立つこと。人との関係がおだやかでなくなること」です。

これは、【角が張っていてとがっている様子⇒円満ではない】から生まれた慣用句です。

この意味の時に、「角が立つ」を「つのがたつ」と読むのは間違いです
【ある出来事がきっかけで、物事や人間関係が荒立ってしまう事】を言うので、端的に言ってしまえば、【何もしなければ角が立たない】という事になりますね。

 

「角が立つ」の使い方

「角が立つ(かどがたつ)」という表現は、普段の生活でとてもよく使われます。

特によく耳にするのが、「その言い方は角が立つよ」などという表現ですよね。

この「物も言いようで角が立つ」は、【同じ内容を伝えるにしても、言い方によっては相手の感情を逆なでる事があるから、言葉は慎重に選ぶべきだ】という教訓の諺です。

ありがちなのが、誰かに助言などの意見を言う時に、相手の気持ちをよく考えて発言しない事で「角が立ってしまう」というケースです。

余計なことをしなければ問題ないのに、その理屈っぽい言い方により事がもつれて面倒なことになってしまう訳ですね。

ちなみに「角が立つ」は自動詞表現で、物事の現象や状態を表しています。
これを他動詞表現で言うと、「(主体が)角を立てる」となります。その意味は「(主体が)物事を荒立てる」です。

簡単に言うと、私達が「物事の角を立てる(他動詞)」ような言動をすることで、「物事の角が立つ(自動詞)」という結果を招いてしまう訳ですね。

「角が立つ」の類義語・同義語

「角が立つ(かどがたつ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

「角が立つ(かどがたつ)」の類義語・同義語
  • 波風が立つ
  • 波が立つ
  • 角々しくなる
  • 問題になる=「物事が荒立つ」意味での類義語
  • もつれる=     〃
  • 面倒なことになる= 〃
  • もめ事になる=「人との関係が穏やかでなくなる」意味での類義語
  • 不和になる=      〃
  • 摩擦が生じる=     〃
  • (関係に)ヒビが入る= 〃
  • (関係が)ギスギスする=〃
  • (相手が)心証を害する=〃

などが挙げられます。

「角が立つ」の対義語・反対語

「角が立つ」の対義語は、類義語・同義語で見た言葉を反対の形にして、

「角が立つ(かどがたつ)」の対義語・反対語
  • 角が立たない=「どう転んでも、まず悪くはならない」という意味
  • 波風が立たない
  • 波が立たない
  • 角々しくならない
  • 無難な
  • 当たり障りのない
  • 悪いようにはならない
  • 穏便な
  • 堅実な
  • 安全な
  • リスクが低い
以上のようなものが挙げられます。

「角が立つ」を使った例文

「角が立つ」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

 

「 角が立つ(かどがたつ)」を使った例文
  1. 思ったことを全部口にしていたら、角が立つから少しは気を付けた方がいい。
  2. 私の伯母は「断ると角が立つから」と、いつも町内会の役を引き受けてしまう。
  3. 「角が立つような物言いは、なるべく慎みたまえ!」と、社長に怒鳴られた。
  4. 「ここはひとつ、なるべく角が立たないように丸く収めてくれないか」と部長に事態を一任された。
  5. 君ももう子供じゃないんだから、いいかげん角が立つような言動は避けた方がいいよ。
  6. そういう態度では角が立つから、君はちょっと引っ込んでいてくれないか。
  7. 「物も言いようで角が立つ」んだから、あんまりストレートに言ったらダメでしょ。

まとめ

以上、本記事では「角が立つ」という言葉についてご紹介しました。

「角が立つ」は日常生活でよく使われますから、正しい意味を知っておいた方が得ですね。
人の感情を刺激して【角を立てない】ように、発言には十分注意しましょう。

この記事を読んで、あなたが「角が立つ」の意味を理解し、今後この言葉を正しく使うお手伝いができたのならとても光栄です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。