「侃々諤々(かんかんがくがく)」という言葉は、知っていますか?
なんだか、見慣れない漢字だし、読み方も「?」という人が多いかもしれません。
でも、意外によく使う表現でもありますし、せっかく出会ったこの機会に使いこなせるようになってしまいましょう!
というわけで、以下では「侃々諤々」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
もくじ
「侃々諤々」の意味と読み方
侃々諤々の読み方
まず、読み方ですが、「侃々諤々」は「カンカンガクガク」と読みます。
「あれれ? ケンケンガクガク、じゃなかったっけ?」
と感じたアナタ。少々お待ち下さい。のちほどご説明します。
侃々諤々の意味
次に意味ですが、まず「侃々諤々(かんかんがくがく)」の漢字を確認していきましょう。
「侃」は「つよい」という意味。
「諤」は「いいあらそう」「ずけずけいう、直言する」という意味です。
なので、「侃侃諤諤」は漢語としては「侃諤(かんがく)」という形でも使い、意味は「強い言葉ではばかることなく直言すること」です。
日本語の熟語としては「正しいと思ったことを遠慮なく直言すること」や「遠慮なくさかんに議論するさま」という意味で使います。
「喧々諤々」は実は誤用!
この「侃々諤々(カンカンガクガク)」という言葉を「喧々諤々(ケンケンガクガク)」と覚えていた人はかなり多いのではないでしょうか。
これは実は誤りで、「侃々諤々(カンカンガクガク)」と「喧々囂々(ケンケンゴウゴウ)」が混じり合って生じた表現です。
「喧々囂々」は「大勢が口々に喋ってやかましい様子」を指す言葉です。
この2つのミックスである「喧々諤々(ケンケンガクガク)」は、昔からとても広く使われている誤りなので、これを長年正しい言葉と思い込んでいる人は、かなり多いのではないでしょうか。
その意味では、間違っていても恥ずかしさは少ない言葉かもしれませんが、せっかくなので正しい言葉「侃々諤々(カンカンガクガク)」を覚えておきましょう。
「侃々諤々」の使い方
では、「侃々諤々(かんかんがくがく)」はどのように使うのでしょうか。
意味の項で説明したとおりですが、思ったことを遠慮なく堂々と主張して、意見を戦わせるような場面、話し合いが盛り上がって、つい時間が経つのも忘れるような、そういう議論を表現するのに使います。
「侃々諤々の議論」とは?
「侃々諤々の議論」とは、とても活発に意見が出て、議論が盛り上がるような議論を言います。
「誰か意見がある人はいませんかー?」
「シーン(沈黙)」
というような、ありがちな会議、誰もが早く終わらないかな、と思っている退屈な会議の対極にある議論です。
いろいろと遠慮したり、空気を読むばかりだったり、目立つのを恐れる参加者ばかりだと、「侃々諤々の議論」にはなりそうにないですね。
「侃々諤々」の類義語・同義語
「侃々諤々」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「談論風発」
- 「議論百出」
- 「甲論乙駁」
- 「丁々発止」
- 「言葉の応酬」
- 「百家争鳴(ひゃっかそうめい)」
- 「激論(を戦わす)」
- 「論戦(を戦わす)」
- 「舌戦(を戦わす)」
などが類似した表現として挙げられるでしょう。
その他、議論が「白熱する」「火花を散らす」などという表現も、「侃々諤々」の言い換え表現として、似た場面で使われます。
「侃々諤々」の対義語・反対語
では、「侃々諤々」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
「侃々諤々」には、明確な対義語・反対語はないようです。
そこで、「侃々諤々」とは対照的な状況を表わす表現を、以下に挙げてみましょう。
- 「低調な議論」
- 「盛り上がりに欠ける議論」
- 「白けた議論」
また、はっきりと意見を戦わせないという状況を表わす表現としては、
- 「腹の探り合い」
- 「裏工作」
- 「水面下での調整」
- 「根回し」
なども挙げられるでしょう。
「侃々諤々」を使った例文
「侃々諤々」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 遠慮なく、忌憚(きたん)のない意見を出していただいて、侃々諤々の討議をお願いします。
- 見解の相違をめぐって、批評家同士が侃々諤々の論争をしていたが、やがてただの揚げ足取り、人格攻撃、罵詈雑言(ばりぞうごん)の応酬に堕(だ)していった。
- 寿司か焼肉かで、侃々諤々、意見を戦わせたが、結局あいだを取ってラーメンに落ち着いた。
- 三年間、百回を超える侃々諤々の会議を経ても、いまだ結論にはたどり着いていない。
まとめ
以上、「侃々諤々(かんかんがくがく)」の意味や用法について深掘りしてみました。
グローバル化が叫ばれる今、根回しで最初から結論が決まっている会議を卒業し、ガチで意見をぶつけ合う「侃々諤々」の議論に慣れることも必要かもしれませんね。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。