「嘗て」の意味と使い方を解説!「嘗て」を使った例文を紹介

嘗て

「嘗て」という言葉は、ご存知でしょうか。

「嘗」の字が読めれば、言葉の意味も判ったも同然ですが、「嘗」はそれほど使われる字でもないですし、読めない、意味不明という人も多いのではないでしょうか。

読めてしまえば、この言葉を知らない人はいないとぐらい、ごくありふれた言葉です。

それでは、以下で「嘗て」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「嘗て」の意味・読み方

「嘗て」は「かつて」と読みます。
(話し言葉では「かって」とも発音します。)

次に意味ですが、「嘗て(かつて)」は、
以前
という意味です。

また、否定的表現を伴って、
「決して」
「全然」
昔から今までに一度も
という意味になります。

 

念のために、「嘗て」の漢字も確認しておきましょう。

」は、「かつて」「これまでに」「以前」という意味です。

他には、「なめる」「味見をする」「体験する」「試みる」という意味があります。「嘗味(しょうみ)」は「口になめて味見をする」という意味です。

「嘗て」の使い方

では「嘗て」はどのように使う言葉でしょうか。

「嘗て(かつて)」は、「それ以前に」という意味で、ごく一般的に使う和語で、会話にも文章にも多用されます。

「嘗てない」と、否定表現を加えて、「昔から今現在まで一度も」という意味になります。

「嘗てない新食感!」とか、
「いまだ嘗てない衝撃のラストシーン!」などと用います。

この例でも分かるように、「以前には」という言い方よりも、やや改まった表現になります。

「嘗て」の類義語・同義語

「嘗て(かつて)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「嘗て(かつて)」の類義語・同義語
  • 「以前に」 今よりもかなり前に。
  • 「昔」 過去の時代。
  • 「あるとき」 過去のいつか。
  • 「いつぞや」 過去のいつか。
  • 「これまで」 現在までのいつか。
  • 「空前(くうぜん)」 今までに類例がない様子です。(嘗てないの同義語)
  • 「前代未聞(ぜんだいみもん)」 今までに聞いたことがないようなこと。(嘗てないの同義語)

「嘗て」の対義語・反対語

「嘗て(かつて)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「嘗て(かつて)」の対義語・反対語
  • 「いつか」 未来の未定の時期。
  • 「そのうち」 近いうち。近日中。
  • 「将来(しょうらい)」 これから先の時。
  • 「今後」 これから後の時。
  • 「お先(おさき)」 未来。「お先真っ暗」などと使います。
  • 「末々(すえずえ)」 ずっと先まで。
  • 「先々(さきざき)」 ずっと先まで。「先々のことを考えて貯蓄する」などと用います。

「嘗て」を使った例文

「嘗て(かつて)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

 

「嘗て(かつて) 」を使った例文
  1. ゴジラの襲来という嘗てない事態に、政府首脳も対応に苦慮(くりょ)した。
  2.  いまだ嘗てない音響と視覚の総合芸術。
  3. 嘗ては当たり前のように食べていた美味しい野菜が、最近ではどれもこれも本当の味わいを失っているのは悲しいことだ。
  4. この町が嘗ての賑わいを取り戻すのには一体どういう施策を講じるべきか誰一人真剣に考えていない。

まとめ

以上、「嘗て(かつて)」の意味や用法について深掘りしてみました。

「嘗て」だけではなく、「これまで」や「いつぞや」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。