「形骸化」の意味と使い方を解説!「形骸化」を使った例文を紹介します

形骸化

「形骸化(けいがいか)」という言葉は、ニュースや書籍などで頻繁に使われる重要表現です。

ですが、はじめて遭遇した場合には、文字づらからは意味が取りにくい言葉ですよね。

せっかく出会ったこの機会を逃さず、意味や用法を覚えて使いこなせるようになると吉です。
そこで、以下では、「形骸化」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「形骸化」の意味

「形骸化(けいがいか)」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。

」はかたちです。

」は、「からだ」「むくろ」「死体(なきがら、むくろ)」「骨」「死者の骨」などの意味があります。

この二つが合わさった「形骸」は、文字通りには「精神を失って人として機能しなくなった体」を指します。そこから意味が広がって「実質的な意味を失って見かけだけになったもの」を指す言葉になりました。

「化」は「そのような状態になる」ことですから、「形骸化」は「実質を失い、見かけだけになること」です。

「形骸化」の使い方

「形骸(けいがい)」は、上記で説明した以外に「建物の骨組」そのものを指す使用法もあります。

「あのビルは形骸だけを残して燃え尽きた。」などと使います。

しかし「形骸化」という場合には「建物が骨組だけになる」という意味では使いません。

「形骸化」は本来の趣旨を見失って形だけになっている事柄を幅広く指し示します

例えば、クリスチャン以外の日本人にとっての「クリスマス」。イエス・キリストの生誕を祝うミサという本来の意味を見失っていますね。「みんなでワイワイ騒ぐ日」だったり「急ごしらえの彼氏彼女を作って恋人同士という体裁を整える日」だったり。まさに「形骸化」の極みですね。

「形骸化」の類義語・同義語

「形骸化(けいがいか)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「形骸化(けいがいか)」の類義語・同義語
  • 「空洞化」=中身が空っぽになっているということ
  • 「死文化」=法律などで、法文自体は残っているものの長年適用されず、法律として実質的に機能していない、などを指す
  • 「有名無実」=名前だけ残っていて、中身は消え去っているということ
  • 「骨抜き」=例えば何かを規制する法律が、立派な法文を持っていても、実はあまり役に立たないように中身をいじられている、というように使用
  • 「死に体(しにたい)」=これは文字通り「形骸」と同じことですね。体はあるが死んでいる、ということ

「形骸化」の対義語・反対語

「形骸化(けいがいか)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「形骸化(けいがいか)」の対義語・反対語
  • 「名を捨てて実を取る」=名誉、名声などの外面的な利益よりも、実質的な利益を取る、という意味。
    その逆に「実を捨てて名を取って」いれば、すぐに物事は形骸化してしまうので、対照的な意味合いを持つ表現だといえるでしょう
  • 「活性化」「再活性化」=たとえば「組織の活性化」「議論の活性化」などと用います。中身の実質を充実させるという意味で「形骸化」と反対の意味になります

「形骸化」を使った例文

「形骸化(けいがいか)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

「形骸化」を使った例文

 

「 形骸化(けいがいか)」を使った例文
  1. 経営者側となれあい、労働者の地位向上という本来の役目を見失って、形骸化した労組など、何の意味もない。
  2. 「最近は友チョコとか、自分チョコとかいって、バレンタインデーも形骸化してるよね。」「チョコさえ売れれば何でもいいのよ。」
  3. 全議員が賛成票を投じることが決まっている議会など形骸化もはなはだしい。
  4. その儀式の実質的意味は失われ、形骸化して形のみが今に伝えられている。
  5. 愛を失って形骸化した夫婦関係

まとめ

以上、「形骸化」の意味や用法について深掘りしてみました。

「形骸化」だけでなく、たくさんある類義語や、反対語などを、うまく使い分け、活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。