「気色ばむ」の意味と使い方を解説!「気色ばむ」の例文を紹介

気色ばむ

「気色ばむ」という言葉は、ご存知でしょうか。
「気色悪い(きしょくわるい)」のような感じでしょうか。

それとも全然違う意味なんでしょうか。
あまり使わない、そもそも出会ったこともない、という人も多いかもしれません。

でも、せっかく出会ったこの機会に、ささっと使いこなせるようになってしまいましょう。
そこで、以下では「気色ばむ」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「気色ばむ」の意味と読み方

まず、読み方から片付けてしまいましょう。
「気色ばむ」は「けしきばむ」または「きしょくばむ」と、二通りの読み方があります。

次に意味ですが、まずは「気色ばむ」の「気色」から確認しましょう。
「気色」には、「けはい」「ありさま」「様子」や、「機嫌(きげん)」「顔色」など、さまざまな意味があります。

そして、「気色ばむ」の「ばむ」は、「汗ばむ」「黄ばむ」などの「ばむ」で、意味は「~という状態を帯びる」「~という様子が現れる」です。

「気色ばむ」の意味は、
1.「顔に怒った様子が現れる
です。他に、古文のなかでは、

2.「気配があらわれる」
3.「艶めかしい様子をする。気取る」
という意味もあります。

現在、普通に使う意味としては「怒りが顔色にあらわれる」となりますが、怒り以外の「心に思うこと」全般にも使うとする辞書もあります。

「気色ばむ」の使い方

では、「気色ばむ(けしきばむ・きしょくばむ)」はどのように使うのでしょう。

「気色」自体が、かなり古めかしい調子の漢語ですし、それに「ばむ」を付けて動詞にした「気色ばむ」も、やはり古風な言葉ですので、会話の中では少々伝わりにくいかもしれません。

文章表現に工夫をこらす文学作品等で用いるのがふさわしいでしょう。

なにか、失礼なことや、癪に障るような事を言われて、口では何もいわないけれど、怒りの感情が顔に出てしまう。そんな状況を指して「気色ばむ」と表現します。

「気色ばむ」の類義語・同義語

「気色ばむ(けしきばむ・きしょくばむ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

まず「怒りが顔色に出る」という同じ意味の言葉で、
「柳眉を逆立てる」
があります。

ただし、「柳眉」自体が「美しい眉」という意味なので、こちらの表現は美人限定ということになります。

 

他に、怒りを表す表現としては、
「お冠(おかんむり)」
「癪に障る(しゃくにさわる)」
「腹に据えかねる」
「ムッとする」
「プンプンする」
などなど、多数あります。

「気色ばむ」の対義語・反対語

「気色ばむ(けしきばむ・きしょくばむ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

まず、「気色ばむ」の明確な対義語はないようです。
なので、「怒りが顔に出る」の対照的な状態を表す表現をあげてみます。

「腸(はらわた)が煮えくり返る」
「腹の底が煮え立つ」
「腹の虫がおさまらない」
「ぐっとこらえる」
など、顔に出さずに、怒りを腹に溜め込んでいる表現です。

また、顔に出るのが、「怒り」ではなく「喜び」という点で反対の表現と言えるのは、

「喜色満面」
「破顔する」
「破顔一笑」
などでしょう。

「気色ばむ」を使った例文

「気色ばむ(けしきばむ・きしょくばむ)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

「気色ばむ(けしきばむ・きしょくばむ) 」を使った例文
  1. 暴言を吐かれて、思わず気色ばんだが、気が小さいので何も言い返せなかった。
  2. 友人の悪口をまくしたてていた彼女は、返事するわたしの気色ばんだ声に、口をつぐんだ。
  3. 口では怒ってない、気にしてないよ、と繰り返す彼の顔は、明らかに気色ばんでいた。
  4. 私の指示ではなく、選手が勝手に勘違いした、という監督の発言に、その場にいた記者全員が気色ばんだ目を向けた。

まとめ

以上、「気色ばむ」の意味や用法について深掘りしてみました。

「気色ばむ」だけではなく、さまざまな類語や、対義語などをうまく活用して表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。