「麾下」の意味と使い方を解説!「麾下」を使った例文を紹介

麾下

「麾下(きか)」という言葉は、ご存知でしょうか。

「麾」の字が難しいので、読むのも大変ですし、そもそも一度もお目にかかったことがないという人もかなり多いのではないでしょうか。

たしかに、日常的に使う語彙でもありませんし、歴史好き・歴女・軍記物マニア・時代小説ファンでもないかぎり、接する機会は少ない言葉ではあります。

でも、いつ自分がそういう興味を持たないとも限りません。

ということで、以下で「麾下」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「麾下」の意味・読み方

「麾下」は「きか」と読みます。

次に意味ですが、まずは「麾下」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。

」は「指図旗(さしずばた)」「指揮・合図の旗」という意味で、将軍・大将が用いる旗です。

」は「した」です。

熟語「麾下」は、「旗本(はたもと)」のことを指します。具体的には、
「将軍の指揮下で行動すべく編成された人達」
将軍直属の家来

ですが、
ある人の指揮下にあること、また、その人
も指すようになっています。

「麾下」の使い方

では「麾下(きか)」は、どのように使う言葉でしょうか。

とはいっても、日常的にはお目にかかることも少なく、歴史小説などの読み物でも書くのでない限り、実際に使うことはほとんどないかも知れません。

「将軍の直属の部下」の意味を離れて、
一般的に「ある人の指揮下にある人」という語義が辞書に出てはいますが、
「誰それの麾下に参集」などと書くのは相当嫌味な衒学臭(げんがくしゅう)が漂うと思います。

日常的には「旗本」とか「部下」などと書くほうが分かりやすいでしょう。

「麾下」の類義語・同義語

「麾下(きか)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

「旗本」 将軍の旗のもとにある直属の部下です。
「部下」 ある人の元で命令され行動する人です。
「幕下(ばっか)」 将軍の配下に属するもの。
「家臣」 大名などの家に仕える武士。
「家来」 君主や主人に服従する人です。
「配下」 ある人の命令どおりに動くことを期待される存在です。

他に部下という意味での類義語は、
「子分」
「下っ端」
「手下」
「褌担ぎ」
などがあります。

「麾下」の対義語・反対語

「麾下(きか)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

語の性質上、明確な対義語はありません

将軍の部下と対照的なのは、「将軍」その人ということになるでしょう。
「将軍」 一軍を統率し、指揮する武官です。
「大将」 将軍に同じです。
「大名」 大名は時代によっていろいろと意味が変わりますが、広大な領地を支配する人です。

また将軍よりも上にある存在としては「天皇」が挙げられます。
「天皇」
「帝」

「麾下」を使った例文

「麾下(きか)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

「麾下(きか) 」を使った例文
  1. 「播磨、因幡、但馬に散陣していた秀吉の麾下は、二月中に、はやくも姫路に集合を命ぜられていた。」(吉川英治著「新書太閤記」より)
  2. 「秀吉が出て来さえしなければ、無論大崎氏葛西氏は政宗の麾下に立つを余儀なくされるに至ったのであろう。」(幸田露伴著「蒲生氏郷」より)
  3. 閣下の麾下に参集した武官は皆命知らずの強者揃いであります。

まとめ

以上、「麾下」の意味や用法について深掘りしてみました。

「麾下」だけではなく、「部下」や「手下」など、さまざまな類語・対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。