「稀代(きたい)」という言葉は、ご存知でしょうか。
日常的にはそれほど頻繁に使う語彙ではないので、あまり遭遇したことがないという人もいるかもしれません。
しかし、文章などではしばしば使われる表現なので、これを機会に読みや意味を確認して「稀代」を習得してしまいましょう。
それでは、以下で、「稀代」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「稀代」の意味・読み方
「稀代」は「きたい」と読みます。「きだい」とも読みます。
また「希代」とも書きます。
次に意味ですが、まずは「稀代」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「稀」は、「まれ」「まばら」「すくない」などの意味がある字です。
「代」は、「世(よ)」、「時世」「世代」などの意味があります。
この二つの漢字を組み合わせた熟語「稀代」は、
「世にも稀(まれ)なこと」
「珍しいこと」
です。
その時代において数少なく貴重な存在というニュアンスがあります。
「稀代」の使い方
では「稀代(きたい)」はどのように使う言葉でしょうか。
「稀代」はやや古めかしい感じのある漢語です。主に文章中で使われます。
「稀代の名選手」「稀代の大泥棒」などという形で使います。
「世にも稀な」という表現よりも、より格調高い印象になります。
ただ単に珍しいだけではなく、そこに希少価値があり、内容的にも飛び抜けて優れている、などのニュアンスを帯びます。
類似した熟語に「絶世」があります。「絶世」だと、「世の中に二つとないほどに優れている様子」となり、「稀代」よりもさらに上を行く素晴らしさを示します。
「稀代」の類義語・同義語
「稀代(きたい)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「稀世、希世(きせい)」 世にまれで珍しいこと
- 「絶世(ぜっせい)」 この世に二つとないほど優れている様
- 「非凡(ひぼん)」 普通よりはるかに優れている様子
- 「珍しい(めずらしい)」 通常めったにお目にかかれない様子
- 「稀有(けう)」 稀にしか存在しなくて貴重な様子
- 「レアな」 稀なこと
「稀代」の対義語・反対語
「稀代(きたい)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「平凡(へいぼん)」 特に優れても、変わってもいない様子
- 「凡庸(ぼんよう)」 特別に優れた点も、人を引きつける魅力もない様子
- 「ありふれた」 どこにでもある様子
- 「陳腐(ちんぷ)」 ありふれていて面白みがない様子
- 「月並み(つきなみ)」 型にはまって平凡な様子
他に、似たような表現として、
「ひとやまいくら」
「十把一絡げ」
「どんぐりの背くらべ」
などが挙げられます。
「稀代」を使った例文
「稀代(きたい)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 清水次郎長は稀代の大泥棒として有名だ。
- 稀代の名探偵シャーロック・ホームズでも解けない謎はある。
- 日本女子卓球を世界レベルへと押し上げた稀代の名コンビみまひな。
- 『東京物語』は稀代の名優笠智衆の代表作の一つである。
- 昭和を代表する稀代の歌姫笠置シヅ子。
- 稀代の名機が一堂に会する大博覧会。
まとめ
以上、「稀代(きたい)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「稀代」だけではなく、「絶世」や「非凡」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。