「殊更」の意味と使い方を解説!「殊更」を使った例文を紹介

殊更

「殊更(ことさら)」という言葉は、ご存知でしょうか。

これは、会話でも文章でも比較的多用する日常的表現ですが、漢字で「殊更」と書かれると、とっつきにくく感じるかもしれません。

しかし、意味はごく普通の言葉ですし、漢字もそれほど難しくないので、ちょっと自信がないという人は、この機会に「殊更」を確認して使いこなせるようにしてみては?

それでは、以下で、「殊更」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「殊更」の意味・読み方

「殊更」は「ことさら」と読みます。

「殊更(ことさら)」は、源氏物語などの古文にも登場する大変古い和語です。

その意味は、「ことあらためてする」「わざわざする」「故意にする」や「特別であること」「特にいちじるしいこと」などです。

現代語としての細かいニュアンスとして、
本来そこまでする必要はないのだが、何らかの意図があってあえてそうする様子
という意味合いが込められることがあります。

なんらかの意図を背後に秘めているという理解を匂わせています。

「殊更」の使い方

では「殊更(ことさら)」はどのように使う言葉でしょうか。

「近くに町がないため夜空の星が殊更明るく見える」という場合は、「特にいちじるしい」という意味です。

「殊更に難しい専門用語を使わなくてもいいじゃないか」という場合には、相手が専門用語を使ってくる背後に嫌がらせなどの意図を嗅ぎ取っているニュアンスになります。

「人前だと殊更厳しくこどもを叱りつける」という場合も「特に」「わざわざ」という以上に、「ひと目を気にして」「自分はしつけをちゃんとしとているアピール」を背後に読み取っているニュアンスになります。

さまざまな場面で使えますが、ニュアンスを含む分、使い方が難しいかもしれませんね。

「殊更」の類義語・同義語

「殊更(ことさら)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。


まず、「背後に何らかの意図をもってそうしている様子」の類義語としては以下が挙げられます。

「意図的に」 なにかを意図して行っているということです。
「故意に」 なにか思うところがあって、その故に行う、ということです。


また「特別に」という意味での類義語としては、

「就中(なかんづく)」
「とりわけ」
「ひときわ」
「特に」
「殊に」
などがあります。

「殊更」の対義語・反対語

「殊更(ことさら)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

「無意識に」 何の意図もなく行うということです。
「何気なく」 何の気なしに、特に意図せず、ということです。
「普通に」 特別な思いはなく、ということです。
「軽い気持ちで」 深い配慮はなく、ということです。
「無造作に」 重要と思わず気楽に行う様子です。
「偶発的に」 意図せず、たまたま、です。
「偶然に」 ほぼ同じ意味です。

「殊更」を使った例文

「殊更(ことさら)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

「殊更(ことさら) 」を使った例文
  1. そんな殊更に難しい専門用語を使って、我々をケムにまこうというつもりか。
  2. いくら人前だからといって殊更にこどもをキツく叱り飛ばしては可哀想じゃないですか。
  3. 周囲に町など全然ない山奥では、夜空の星が殊更に明るく輝く。
  4. 娘の目の上に薄いアザがあるが、殊更観察でもしない限り気になるものではない。

まとめ

以上、「殊更(ことさら)」の意味や用法について深掘りしてみました。

「殊更」だけではなく、「意図的」や「故意に」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。