「後学(こうがく)」という言葉は、ご存知でしょうか?
これは会話でも文章でもよく使いますし、ちょくちょく耳にする言葉ではないでしょうか。
でも、もしかすると、ちゃんと意味を説明しようとすると、ちょっと曖昧だったりするかもしれません。
この機会に、確認しておきましょう!
ということで、以下では、「後学」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「後学」の意味と読み方
「後学」は「こうがく」と読みます。
次に意味ですが、まずは「後学」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「後」は「おくれる」「のち」「うしろ」「あと」などの意味があります。
「学」は、「まなぶ」「まなぶ人」「学問」「校舎」「教育」などの意味があります。
というわけで、「後学」の意味は、
- 「後進の学者」「後から学問を始めた人」
- 「将来なにかの役に立ちそうな知識や経験」「後に役に立ちそうな知識・見識」
という、大きく分けて二つになります。
漢文では「学者が自分のことを謙遜して言う言葉」としても使われます。
「後学」の正しい使い方
では「後学(こうがく)」はどのように使うのでしょうか。
「後学」はややかしこまった漢語ですので、丁寧な会話や、文章で用います。
「参考までに教えてください」ではなく「後学のためにご教示ください」というと、ぐっと丁寧で、相手への尊敬を示せます。
「後学のために」とは
「後学」は、「後学のために」という言い回しで使われることが非常に多いです。
もちろん意味は2のほうの「将来なにかの役に立ちそうな知識や経験」です。
「念の為に」とか「参考までに」などと言うよりも「後学のために」と言ったほうが丁寧で印象がいいので、ビジネスシーンなどで活用できます。
「後学」の類義語・同義語
「後学(こうがく)」「後学のために」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
まず「後から学問の世界に入った人」という意味での類義語は、
- 「後進」
- 「後輩」
などがあります。
「将来なにかの役に立ちそうな知識や経験」という意味での類似表現は、
- 「参考までに」
がありますが、使い方の項で説明した通り、「後学のために」よりは、くだけたフラットな言い方です。
「参考までに」は、むしろ教える側が謙遜して「ご参考までに」と使うのがふさわしい表現です。
また、教える側が「後学のために教えておくと」などという場合も、「役に立たないかもしれないけれど」という、謙遜の意味を滲ませているといえるでしょう。
「後学」の対義語・反対語
「後学(こうがく)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
まず、「後進の学者」という意味に対する対義語としては、
- 「先学」
があります。
学問に関する先輩格の人を表します。
「先学に学ぶ」などと使います。
他に「先輩」「先行者」なども類似した表現です。
「将来なにかの役に立ちそうな知識や経験」という意味での対義語には、「何の役にも立ちそうにない知識」という意味で、
- 「豆知識」
- 「雑学」
- 「トリビア」
などが類似しているといえるでしょう。
「後学」を使った例文
「後学(こうがく)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 「後学のために、ぜひお聞かせ願いたいのですが。」
- 「ストリップか、いいねえ、後学のためにちょっと覗いておくか。」(言い訳の例)
- 「あなたは教師を目指しているのなら、後学のために色々な経験を積んだほうがいい。」
- 「僕のような後学が、大先生の翻訳に口出しするなんて畏れ多い。」
- 「後学のためにと、生の鯖を刺し身にして食べたら案の定アニサキスにやられた。」
まとめ
以上、「後学」「後学のために」の意味や用法について深掘りしてみました。
「後学」だけではなく、さまざまな類語や、対義語など、うまく活用して、ぜひ、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。