「恍惚」の意味と使い方を解説!「恍惚」を使った例文を紹介

恍惚

「恍惚(こうこつ)」という言葉は、ご存知でしょうか。

使われている漢字があまり馴染みのない字ですし、言葉としても普段それほど多用する表現ではないので、もしかすると見たこともないという人もいるのではないでしょうか。

使うことはまれでも、教養としては押さえておきたい語彙ですので、この機会に「恍惚」を習得してしまいましょう。

それでは、以下で「恍惚」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「恍惚」の意味・読み方

「恍惚」は「こうこつ」と読みます。

次に意味ですが、まずは「恍惚」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
」の字には、「うっとりする」「気抜けする」「ほのか」「おぼろげ」などの意味があります。

」の字には、「心を奪われてうっとりする」「ぼんやりする」という意味があります。

このよく似た意味の字ふたつを重ねた熟語「恍惚」の
文字通りの意味は、
「うっとりする様」「ぼんやりする様」です。

熟語「恍惚」は、以下のような意味で使われます。
ある物事に心を奪われてうっとりする様子
「ぼんやりして、はっきりしない様」
「『耄碌(もうろく)』(老人の衰弱した精神状態)の婉曲表現」

「恍惚」の使い方

では「恍惚(こうこつ)」はどのように使う言葉でしょうか。

「恍惚」は硬い印象のある漢語なので、改まった会話や文章で用いることの多い表現です。
「恍惚のまなざし」
「名演奏に恍惚とする」
「恍惚とした表情」
などという形で用います。

耄碌(もうろく)の婉曲表現としての意味では、有吉佐和子の小説『恍惚の人』が有名で、森繁久彌主演で映画化もされています。

また「恍惚」と書いて「うっとり」と読ませる用例も多数あります。

「恍惚」の類義語・同義語

「恍惚(こうこつ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「恍惚(こうこつ)」の類義語・同義語
  •  美しいものなどに触れてうっとりする意味での類義語としては、以下のような例が挙げられます。
    「エクスタシー」
    「陶酔(とうすい)」
    「忘我(ぼうが)」
    「法悦(ほうえつ)」
    「うっとり」
  • 老人の衰弱した精神状態の意味での類義語としては、以下のような例が挙げられます。
    「惚け、呆け(ボケ)」
    「耄碌(もうろく)」
    「老耄(おいぼれ)」
    「老衰(ろうすい)」

 

「恍惚」の対義語・反対語

「恍惚(こうこつ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「恍惚(こうこつ)」の対義語・反対語
  • 美しいものなどに触れてうっとりする意味での反対語としては、以下のような例が挙げられます。
    「興ざめ(きょうざめ)」
    「鼻白む(はなじろむ)」
    「白ける、シラケる」
    「熱が冷める」
    「引く」
  • 老人の衰弱した精神状態の意味での反対語としては、以下のような例が挙げられます。
    「矍鑠(かくしゃく)」 年をとっても丈夫で元気のいい様子です。
    「溌剌(はつらつ)」 元気がみなぎっている様子です。
    「明晰(めいせき)」 はっきりしていて誰にでも分かる様子です。

「恍惚」を使った例文

「恍惚(こうこつ)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

 

「恍惚(こうこつ)」を使った例文
  1.  何万人ものファンが恍惚とした表情で彼女らのパフォーマンスに見入っていました。
  2. ヘロインで恍惚とした状態のまま何年もベッドに寝転んで自分のつま先をじっと見つめて過ごす作家。
  3. 世界的なオーケストラのシルクのような音色に恍惚と聞き惚れる。
  4. 激しい音楽に合わせて踊る踊り子の白い肌に客が恍惚のまなざしを向けている。

まとめ

以上、「恍惚(こうこつ)」の意味や用法について深掘りしてみました。

「恍惚」だけではなく、「うっとり」「法悦」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。