「看做」という言葉は、ご存知でしょうか。
「看做」は通常、「看做す」「看做し」と送り仮名をつけて使う言葉です。
漢語ではなくて和語に漢字を当てたものです。
しかし「做」の字はあまり使用頻度の高くない字ですし、ちょっと読めないという場合もあるかもしれません。
言葉としては必須の語彙ですので、この機会に読み方と意味を確認しましょう。
それでは、以下で「看做」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「看做」の意味・読み方
「看做す」「看做し」は「みなす」「みなし」と読みます。
次に意味ですが、「みなす」は「みる」+「なす」で、みるようにすること、つまり、
「実際はともかく、そうであると判断すること」
「実際はそうでないと知りつつ、それとして見る」
「見立てる」
という意味になります。
「みなし」は、「みなす」の名詞形で「みなすこと」です。
次に「看做」の漢字も確認しておきましょう。
「看」は、「みる」という意味です。
「做」は、俗字で、本字は「作」です。いろいろな意味がありますが、ここでは「なす、しいてそうする」という意味です。
「看做」の使い方
では「看做す(みなす)」はどのように使う言葉でしょうか。
「看做す」「看做し」は「見做す」「見做し」とも書きます。
「看做す」は、実際は違うけれども、そうであると判断する、そのように扱う、というときに使います。
たとえば、「高校を出て就職したら、法律上は未成年でも自立した大人と看做す。」などと使います。
「看做し」は、たとえば法律の「看做し規定」や、「みなし公務員」などという言葉があります。実際には違うけれども法律上はそれとして扱う、という法律が「看做し規定」です。実際には公務員ではないが、業務の公共性などの観点からある面では公務員として扱われるのが「みなし公務員」です。
「看做」の類義語・同義語
「看做す(みなす)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「推定する(すいていする)」 そうだろう、と推し量って判断すること
- 「見立てる(みたてる)」 仮にそうであろうと看做すこと
- 「目する(もくする)」 いろいろな観点からそうだろうと判断すること
- 「取り成す(とりなす)」 「あるものを別のものとして扱う」という意味もある言葉
- 「擬する(ぎする)」 あるものを別のものとして見立てること
「看做」の対義語・反対語
「看做す(みなす)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
言葉の性質上、明確な対義語はありません。
なので、行為のありかたからみて、対照的と言える表現をあげてみます。
「実際は違うけれども、そうであると判断する、そのように扱う」ことが「看做す」なので、対照的な行為は、「真実なのに、そうではないと判断する」となります。
この観点からは「見間違う」「見損なう」「見誤る」などが対照的な表現と言えます。
「看做」を使った例文
「看做す(みなす)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 失踪宣告は、法律上、失踪の宣言を受けて一定期間がすぎると、生死不明であっても死亡したと看做される制度です。
- 看做し公務員とは、公務員ではないのに、実質的に公務員とみなされ、公務員に近い待遇を受けられる職業や、業種を指します。
- 俺にピストルを向けた者は、その瞬間から敵と看做すぜ。
- 戦時中、共産主義者は危険分子と看做され、徹底的に弾圧された。
まとめ
以上、「看做す(みなす)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「看做し」「看做す」だけではなく、「見立てる」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。