「最早」という言葉は、ご存知でしょうか。
使われている漢字を素直に眺めると「最早=もっともはやく」という意味にも取れそうですが、そうではありません。
ごく普通に使っている語彙「最早」ですが、以外に正確な意味や用法は曖昧だったりしませんか?
というわけで、以下では「最早」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「最早」の意味・読み方
「最早」は「もはや」と読みます。
次に意味ですが、まずは「最早」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「早」は「はやい」です。
「最」は「もっとも」の意味がありますが、「まことの」「いちばんの」という意味もあります。
しかし、この「最早」の「最」は意味があまり噛み合いません。
じつは「もはや」は「もうはや」の変化した形であり、どうやら「最」の部分は当て字に近い用法だと思われます。
中世から使われる古い和語である「最早(もはや)」の意味は、
「今となっては」「もう」「既に」
です。
「気がつくといつの間にかその時が来ている」という意味合いで使われます。
「最早」の使い方
では「最早(もはや)」はどのように使う言葉でしょうか。
ごくごく一般的にひろく使われる和語ですので、ありとあらゆるシーンで使われます。
使い方としては、
「最早深夜0時を回ってしまったか」
「最早一年の半分が終わってしまった」
というように、「気がつくと既に」という意味で使います。
また、
「最早手遅れだ」
「最早これまでだ」
などのように、
「気がついた時には既に状況が変化していて元に戻せない」という意味合いでも使われます。
「最早」の類義語・同義語
「最早(もはや)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「もうはや」 「最早」の元々の形です。
「既に(すでに)」 その時点で事が完了(確定)していると思われること。
「早(はや)」 気がつくと既にその時間になっていて驚かされる様子です。
「とうに」 ある状態が今よりもはるか以前に実現していた様を表します。
「とっくに」 「とうに」と同じです。
「既に」 「とうに」と同じです。
「最早」の対義語・反対語
「最早(もはや)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
・まだ来ていないことを示す例。
「未だ(いまだ)」
未到来であること。本来的には「未だ~していない」と否定で受ける言葉です。「未完」「未定」「未知」などの漢語を考えるとわかりやすいです。しかし、これが「今だに」や「今なお」と混同されて、「未だ愛している」のように肯定で受けられる用法も、既に誤用とは言い切れないほどに定着しています。
・「まだ」
「未だ」と同じです。肯定で受けられることも同じです。
・前の状態が継続している様を示す例。
「依然として」
「今だに」
「今なお」
・あることが到来することを待ち受けている例。
「待望の」
「お待ちかねの」
「予予(かねがね)」 以前から予期(期待・理解)していた様子です。
「兼兼(かねがね)」 同じ言葉ですが違う字を当てています。
「最早」を使った例文
「最早(もはや)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 我軍に打つ手なし。万策尽きて、最早これまでか。
- 私の娘は、最早私の手を離れて、立派に独り立ちしていた。
- 正月が開けたばかりだというのに、最早デパートで『チョコレイト・ディスコ』が流れていた。
- インターネットが普及した今、最早テレビから一方的な情報を押し付けられる時代ではない。
まとめ
以上、「最早(もはや)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「最早」だけではなく、「早」や「とうに」など、さまざまな類語・対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。