「目下」という言葉は、ご存知でしょうか。
これはきっと読み方さえ分かれば意味は難しくない言葉だと思います。
ただし問題は、この「目下」に、二種類の読み方と、二種類の意味があるということです。
この機会に読み方と意味を確認して「目下」を確実に習得してしまいましょう。
それでは、以下で「目下」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「目下」の意味・読み方
「目下」は「もっか」と読みます。
「目下」は「めした」とも読みます。それぞれ、まったく別の言葉です。
どちらにしても、読み方さえ分かれば、もう理解できたも同然、という人も多いと思います。
「もっか」と読んだ場合の意味は、
(1)「眼の前。眼下」
(2)「現今。ただいま。さし当たった現在」です。
(1)の語義のほうが、意外と知られていないかもしれません。
「めした」と読んだ時の意味は
「地位・階級・年齢などが、下であること(人)」です。
「目下」の使い方
では、まず「目下(もっか)」の方からいきましょう。
これはどのように使う言葉でしょうか。
「目下(もっか)」を上記の1「眼の前」という意味で使うことは比較的少ないと思われますので、ここでは2「さし当たった現在」の使い方をみていきます。
「目下(もっか)」は、今まさに目の前にある、という状況を示します。
「目下(もっか)の急務」といえば、今すぐに、遅滞なく取り組み始めなけばならない課題ということです。
「目下準備中」といえば、今まさに実現に向けての準備作業を行っている最中だということです。
まさに、それが「眼の前にある」というニュアンスが本質です。
「目下(めした)」は、自分を指す場合は、相手を目上として認めることになります。
他人について「目下(めした)」という場合は、自分を目上の存在とみなすことになります。
「目下」の類義語・同義語
「目下(もっか)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「現在(げんざい)」 まさに今この時ということ
- 「現下(げんか)」 いま現在当面している状況という意味
- 「当面(とうめん)」 今まさに顔の前に当たっている、ということ
- 「差し当たり(さしあたり)」 問題を当面のことに限って取り上げる様子
- 「当座」 問題を当面のことに限って取り上げる様子
「目下(めした)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
- 部下
- 後輩
- 配下(はいか)
- 手下(てした)
などが挙げられます。
「目下」の対義語・反対語
「目下(もっか)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「目下(もっか)」の明確な対義語はないようです。
対照的な状況を示す表現としては以下が挙げられます。
- 「将来的には」 今現在のことではないという意味
- 「そのうち」 いまではなく、将来のいつか、ということ
「目下(めした)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
- 目上 =これが目下(めした)の明確な対義語
他には - 先輩
- 上司
- 先達(せんだつ)
なども挙げられます。
「目下」を使った例文
「目下(もっか)(めした)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- その件につきましては、目下(もっか)鋭意検討中でございまして。
- 多数の死者が出ている災害の対策こそが目下(もっか)の急務であるときに、のんびりとカジノ法案を審議する国会。
- お前は目下(めした)なんだから、ちゃんと目上の人間に対して敬意を示せよ。
- あの男は昔から目上の人間にはひたすら尽くして、目下(めした)に対してはとことん冷酷に振る舞う人間だったが、社長になったいまでもまったく変わらないね。
まとめ
以上、「目下(もっか、めした)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「目下(もっか、めした)」だけではなく、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。