「齎す」の意味と使い方を解説!「齎す」を使った例文を紹介

齎す

「齎す」という言葉は、ご存知でしょうか。

言葉としては、誰でも知っているし、普通によく使う表現です。

しかしこの漢字はとても難しいですし、漢字で書く機会も少ないので、「齎す」と書くと読めない場合も多いのではないかと思います。

高尚な文章では、この表記でルビもないことはよくありますので、この機会に読み方をチェックしましょう。

それでは、以下で「齎す」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「齎す」の意味・読み方

「齎す」は「もたらす」と読みます。

次に意味ですが、まずは「齎す」の漢字を確認しておきましょう。

漢字「」の意味は、
「持ち物」「餞別」「持参する贈り物」などさまざまありますが、
ここでは「持ってくる」「持っていく」という意味です。

和語「もたらす」の意味は、
「持っていく」
「持ってくる」
ある結果を招く
そこに何かを伝える
何かが原因となってなにかの事態を生じさせる
などです。

「齎す」の使い方

では「齎す(もたらす)」はどのように使う言葉でしょうか。

「齎す」は、会話でも文章でも、ごく普通に使う和語です。

「持っていく」「持ってくる」といっても、具体的な事物ではなく、現象・情報・状態などが対象になります。 一例を挙げれば、次のようになります。

「使者が吉報をもたらす」
「台風が甚大な被害をもたらす」
「青い鳥が幸福をもたらす」
「格差の拡大が社会不安の増大をもたらす」

また「もたらされる」と受け身の形でも使用します。
例:「平和がもたらされる」

「齎す」の類義語・同義語

「齎す(もたらす)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「齎す(もたらす)」の類義語・同義語
  •  「招来する(しょうらいする)」 何かの原因が、結果的にある事態をもたらすこと。
  • 「来す(きたす)」 予期しない悪い結果をもたらすことです。
  • 「招く」 予期しない悪い結果を引き起こすことです。
  • 「出来する」 事件が起こること。製品ができあがること。
  • 「惹起する(じゃっきする)」 事件や問題などを引き起こすこと。

「齎す」の対義語・反対語

「齎す(もたらす)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

言葉の性質上、明確な対義語はないようですので、対照的な状態を示す表現の例を挙げておきます。

 

「齎す(もたらす)」の対義語・反対語
  • 「音沙汰なし」 なんの便りも連絡もないことです。
  • 「阻害(そがい)する」 物事の運行・進展を妨げることです。
  • 「妨害(ぼうがい)する」 邪魔立てすることです。
  • 「阻む(はばむ)」 何かの進行を邪魔し、妨げることです。
  • 「没交渉」 かかわるところがない様子です。
  • 「無関係」 互いになんの影響も与えない、関係がない、ということです。

「齎す」を使った例文

「齎す(もたらす)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

 

「齎す(もたらす)」を使った例文
  1.  運良く掘り当てた油田が、一族に莫大な富を齎し、米国の保守本流の一画を占めるに至った。
  2. 長期政権の腐敗が、この国に暗黒時代をさずにはいないだろう。
  3. テレビの普及は映画産業の衰退という結果を齎した
  4. 転校生の出現という新たな事態がクラスに齎した不穏な空気。
  5. 幸福を齎すという約束だったのに、結局ただの疫病神だった。

まとめ

以上、「齎す(もたらす)」の意味や用法について深掘りしてみました。

「齎す」だけではなく、「招来する」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。