「耄碌(もうろく)」という言葉は、ご存知でしょうか。
たぶん、よく使うし、誰でも耳にしたことがある言葉だと思いますが、こうして漢字で書かれると「???」となるかも知れません。
漢字のつくりや、似た形の字を連想すれば、読み方も推測できそうではありますが、読めはしても、書ける気がしない……そんな言葉かもしれません。
しかし、ここは踏ん張って、この難読用語をクリアしてしまいましょう。
それでは、以下で「耄碌」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「耄碌」の意味・読み方
「耄碌」は「もうろく」と読みます。
そう聞けば、意味は分かったも同然だと思いますが、とりあえず「耄碌」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「耄」は「としより」「老いぼれる」「老いる」という意味です。
「碌」は、複数の意味がありますが、ここでは「役に立たないこと」です。
「耄碌」という熟語の意味は、
「老いぼれること」
「年を取った結果として、記憶力・思考力などがひどく衰えること」
です。
「耄碌」の使い方
では「耄碌(もうろく)」はどのように使う言葉でしょうか。
まず、年を取ったことを自覚している本人が自嘲を込めて使うという使い方があります。
その変形として、年配者が、謙遜の意図を込めて、自称するという使い方もあります。
年老いた他人に対して使う場合は、軽い侮蔑(軽視・蔑視)を含んで使われることが多いです。
親しい間柄で、冗談交じりに「もう耄碌しちゃった?」などと使いそうな言葉でもありますが、言われた方は密かに傷ついているかもしれませんので、お年寄りはなるべく労ってあげましょう。
「耄碌」の類義語・同義語
「耄碌(もうろく)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「焼きが回る」=刀の刃を焼く時に火が入りすぎて、かえって切れ味が悪くなることを言います。
転じて年取って能力が衰えることを言います。
「よぼよぼ」=動作が弱々しく年老いた感じ。
「おいぼれる」=年老いて心身の働きが鈍くなること。
他に、「老け込む」「老ける」「年老いる」「老境に入る」
などがあります。下の2つは、あまり悪いニュアンスのないフラットな表現です。
- 焼きが回る
- よぼよぼ
- おいぼれる
- 老け込む
- 老ける
- 年老いる
- 老境に入る
「耄碌」の対義語・反対語
「耄碌(もうろく)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「矍鑠(かくしゃく)」=年取っても、元気で丈夫な様子です。
「老いてなお盛ん」=ほぼ同じ意味です。
「壮健」=元気さかんで丈夫なことです。
他にも、「わかわかしい」「いきいき」など。
逆に、老いるのではなく、まだ大人ではなく能力が劣るという意味では、
「青二才」「未熟」「ひよっこ」「ハナタレ小僧」「若輩者」などが挙げられます。
- 矍鑠(かくしゃく)
- 老いてなお盛ん
- 壮健(そうけん)
- 若々しい
- 生き生き
- 青二才
- 未熟
- ひよっこ
- ハナタレ小僧
- 若輩者(じゃくはいもの)
「耄碌」を使った例文
「耄碌(もうろく)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- お前から偉そうに説教されるほど、わしはまだ耄碌しとらんぞ。
- わしもすっかり耄碌してしまって、眼鏡を掛けたまま眼鏡を探すなんてしょっちゅうだよ。
- 娘夫婦から孫の世話を頼まれて、忙しくて耄碌してる暇なんてありゃしない。
- 『鍵』なんて、ようするに耄碌ジジイのエロ妄想を綴った小説じゃん。
- 還暦だからって、耄碌頭巾なんぞイマドキ誰がかぶるんじゃ。時代劇か。
まとめ
以上、「耄碌」の意味や用法について深掘りしてみました。
「耄碌」だけではなく、「おいぼれ」など、さまざまな類語や対義語もうまく活用して、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。