「における」という言葉は、「~における」という流れで、文章でよく見ますし、会話でも、ちょっと改まった場面などでは普通に使う表現ですね。
しかし、人によっては、あまり使わない表現で、意味も実は曖昧、ということもあるかもしれません。
そこで、以下では、「における」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「における」の意味
「~における」は「~において」という形でも使います。
漢字で書く場合には「~に於ける」「~に於いて」という字を使います。
では、この「於」という漢字の意味を確認してみましょう。
この「於」の文字は、「場所・時間」などを示すときに使います。
「における」「において」は「ある動作や作用の起こる、場所、場面、時間などに限定を加える」という意味で使います。
日本語文法的には「に」「おく」「る」、「に」「おき」「て」に、それぞれ分解されますが、詳しい解説は煩雑になるので省略します。
「における」の使い方
では、「~における」「~において」の使い方について、具体的にみていきましょう。
意味の項目で説明したとおり、動作や作用の起こる、場所、場面、時間などに限定を加えるのが、この語彙の使い方です。
- 当委員会における議事進行のあり方
- 太陽系における各惑星の特徴
- ダンパは講堂において19:00より開催
- 先史時代における言語活動の研究
などという使い方がされます。
ちょっと硬い表現ですので、もっとくだけた会話などでは「での」「で」などのほうが使いやすい言い回しです。
「における」の類義語・同義語
「における」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「での」
- 「の」
簡単に言い換えるならこれです。
「当委員会における議事進行のあり方」→「当委員会での議事進行のあり方」
「太陽系における各惑星の特徴」→「太陽系の各惑星の特徴」
としても、意味は同じです。
- 「~にあっては」
これは「~においては」の言い換え表現として使われます。
- 「~にて」
これは、特に場所を表わす「~において」の言い換えとして使用されます。
「ダンパは講堂において19:00より開催」→「ダンパは講堂にて19:00より開催」
と、置き換えれば、ややくだけた印象になります。
「における」の対義語・反対語
では「における」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
ちょっと考えてみると、「における」の反対語というのは、ないような気がします。「におけない」では変ですし。
「における」の意味に立ち返って考えると、その意味は、行為、作用などの場所、場面、時間などを「限定する」ことでした。
とすると、それらを「限定しない」ことが、いわば反対表現と言えるでしょう。
- 「いつでも」
- 「どこでも」
- 「だれでも」
- 「一般に」
- 「一般的に」
- 「常に」
- 「恒常的に」
- 「普遍的に」
- 「に限らず」
などが、反対表現として使われます。
「における」を使った例文
「における」はどのように使うのでしょうか。
以下に例文を挙げてみました。
- 我が家における食事の献立は、炊事担当者である母が、独断で決めており、要望は一切聞いてもらえない。
- 『2000年代における十大事件とは?』という議題は、我が家において常に深刻な意見の対立を招くテーマである。
- 我が家における身分の上下は、上から、母、父、妹、犬のシロ、そして私の順である(涙)
- 関西における納豆の地位の向上を目指す団体。
まとめ
以上、「における」の意味や用法について深掘りしてみました。
「での」「の」「にて」ですむときに、あえて「における」「において」を使うと、ちょっと賢いイメージを演出できるかも?
ぜひ「における」を使いこなして、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。