「阿る」の意味と使い方を解説!「阿る」を使った例文を紹介

阿る

「阿る」という言葉は、ご存知でしょうか。

そもそも「阿」という字は「阿部」などの人名用の漢字として知ってはいても、それ以外の用法や意味などは知らないという人も多いのではないでしょうか。

ただ、読み方さえ分かれば「阿る」は、わりと誰でも知っている普通の言葉なので、この機会に「阿る」の読み方や意味を習得してしまいましょう。

それでは、以下で「阿る」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「阿る」の意味・読み方

「阿る」は「おもねる」と読みます。

次に意味ですが、まずは「阿る」の漢字を確認してみましょう。
」には、「おか」「きし」「すみ」「まがりかど」など、様々な意味がありますが、ここでは、「おもねる」「へつらう」という意味です。

日本語の語彙としての詳しい意味は、
「人の喜ぶようなことを言ったり、したりして気に入られようとすること」
相手の気に入るような言動をとること
です。

MEMO
「阿」の字を「おもねる」の意味で使う熟語としては、「阿諛(あゆ)」「阿諛追従(あゆついしょう)」などがよく使われます。

「阿る」の使い方

では「阿る(おもねる)」はどのように使う言葉でしょうか。

「阿る」は、やや古い語感の和語です。文章にも、会話にも使う表現ですが、今現在では「よいしょする」「胡麻を擂る(ごまをする)」などの表現の方がより親しみやすく、一般的に使われていると思われます。

だからこそ、会話の中で「おもねる」「へつらう」などの昔からある和語を自然に使いこなせる人は、たしかな教養があるように感じられます。

場によって、そういう語彙が逆に嫌味に取られそうな場面では、「こびる」「こびこび」などの今風の表現を使ったほうがいいかもしれません。

「阿る」の類義語・同義語

「阿る(おもねる)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「阿る(おもねる)」の類義語・同義語
  •  「よいしょ」 (人をもちあげるという含意から)なんらかの目的があって目当ての人をおだてること。
  • 「お先棒を担ぐ」 人の手先となって動き回ること。
  • 「迎合する」 自分の意を曲げて、他人に気に入られるようにすること。他にも、以下のような多数の例が挙げられます。
  • 「おべっか」
  • 「おべんちゃら」
  • 「媚びる」
  • 「媚びへつらう」
  • 「へつらう」
  • 「追従(ついしょう)」
  • 「阿諛追従(あゆついしょう)」

「阿る」の対義語・反対語

「阿る(おもねる)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

「阿る」の反対の表現は、ごく普通に「阿らない」という否定形が使われ、特別な対義語はないようです
その他に挙げられる言葉も、否定形を伴う表現が多いです。

 

「阿る(おもねる)」の対義語・反対語
  • 「へいこらしない」 権力者などに取り入ろうとして、何かにつけてぺこぺこする様子を示す「へいこら」の否定形です。
  • 「へこへこしない」 へつらう意味の「へこへこする」の否定形です。
  • 「迎合しない」
  • 「へつらわない」
  • 「媚びない」
  • 「尻尾を振らない」

「阿る」を使った例文

「阿る(おもねる)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

 

「阿る(おもねる)」を使った例文
  1.  政権に阿ることを己の存在理由とわきまえている御用学者ども。
  2. 晩酌に一本つけてもらうためにひたすら妻に阿るこの情けなさといったら。
  3. 大勢に迎合し、多数派にって、空気を読んではころころ言うことを変える評論家が多すぎる。
  4. 決してアートシーンの流行に阿ることなく、自分の芸術を貫く。
  5. 読者を楽しませようとすることと、読者に阿ることは違う。

まとめ

以上、「阿る(おもねる)」の意味や用法について深掘りしてみました。

「阿る」だけではなく、「媚びる」「へつらう」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。