「大味(おおあじ)」という言葉は、ご存知でしょうか。
日常的によく使う表現ですし、漢字から意味も推測しやすいので、普通に使えている言葉だと思います。
ところが、実はある職種の人しか知らないような意味も持っていたりして、なかなか深みのある言葉です。
せっかくの機会ですので、今一度「大味」の意味や用法を確認してみてはいかかでしょか。
では早速「大味」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「大味」の意味
「大味」は「おおあじ」と読みます。
次に意味ですが、まずは「大味」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「大」は「おおきい」「おもんじる」「ものごとの初め」「おごる、ほこる」などの意味の他に「おおまか、粗(あら)い」という意味があります。
「味」は文字通り、舌で感じる「あじ」です。他に「うまみ」「気持ち」などの意味もあり、日本では「気が利いている、乙(おつ)」という意味も生まれました。
この二つの字からなる「大味」は、
・「味がおおまかで、微妙な味わい、旨味(うまみ)に欠けるおおざっぱな味」
という意味です。
味自体が「おおまか」とする辞書と、「食物が、見てくればかり大きくて、本来期待される旨味に欠ける」と説明する辞書があります。
次に、この本来の意味から転用されて、
・「(物事一般において)味わいが大まかで、繊細さ、妙味が感じられない様子」
を指すようになりました。
一般的に使われるのは上記の2つの意味でしょう。
しかし、もう一つ
・「(相場で)変動の幅が大きく、面白みに富む」
という用法もあります。
「大味」の使い方
「大味(おおあじ)」は、3通りの使い方があります。
1「味がおおまかで、微妙な味わい、旨味(うまみ)に欠けるおおざっぱな味」
=魚などの形はいいが、料理して食べてみると今ひとつ味が乗っていない。料理が、見栄えも塩加減もちゃんとしているが、どこか旨味が足りない。など。
2「(物事一般において)味わいが大まかで、繊細さ、妙味が感じられない様子」
=例えば映画などで、話は面白いしよく出来ているけれど、細かい部分の詰めが浅くて味わいが単調、などという場合に使います。
3「(相場で)変動の幅が大きく、面白みに富む」
=金融取引などで、相場の変動が激しい場合に使います。
「大味」の類義語・同義語
「大味(おおあじ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
まず味覚に関する例としては、
- 味気ない
- 風味に乏しい
- 風味に欠ける
- 旨味に欠ける
- 不味い
次に、物事一般についていう場合の例として、
- 趣に欠ける
- 面白みに欠ける
- 芸がない
- いまひとつ
- 情緒がない
相場の様子を表す表現の例としては、
- 乱高下(らんこうげ)
- 荒れ相場
- 大荒れ
「大味」の対義語・反対語
「大味(おおあじ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
まず、味覚についての対義語・反対語。
- 小味=こまやかな味、という意味で使えば反対語となる
- 旨味のある
- 風味あふれる
- 繊細な味わい
- 美味しい
次に、物事一般に関して言う場合の対義語・反対語。
- 小味=ちょっとした味わい、という意味で使えば反対語となる
- 趣ある
- 興趣(きょうしゅ)に富む
- 繊細な表現
- 味わいが深い
- 心に響く
相場の変動に関する反対語としては、
- 凪相場(なぎそうば)
- 夏枯れ相場
- 小幅な値動き
「大味」を使った例文
「大味(おおあじ)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
「大味」を使った例文
- サクラマスというのは釣るのには面白いが、食べるとなると案外大味なものだね。
- この店の料理は、何を頼んでも大味で、料理人にやる気というものが感じられない。
- あの俳優は大御所ぶっているが、演技は大味で、心に響く芝居の出来ない大根役者だよ。
- あの関取はたしかに圧倒的に強いけれども、試合運びは大味で、見ていて面白みに欠けるね。
まとめ
以上、「大味」の意味や用法について深掘りしてみました。
「大味」だけではなく、さまざまな類語や対義語などをうまく活用して、ぜひ、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。