「瑣末(さまつ)」という言葉は、ご存知でしょうか。
「末」はよく使うありふれた字ですし、「瑣」もよく見かける字ではありますが、「瑣末」と並べられると「はてな?」となってしまう人も多いのではないでしょうか。
意味は難しくないですし、わりによく使う表現でもあるので、この機会に「瑣末」を習得してしまいましょう。
それでは、以下で「瑣末」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「瑣末」の意味・読み方
「瑣末」は「さまつ」と読みます。
次に意味ですが、まずは「瑣末」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「瑣」という字は、「ちいさい」「こまかい」「くだくだしい」「わずらわしい」という意味があります。
「末」という字には、「おわり」「こな、くず」などの意味もありますが、ここでは「細かいこと」や「すえ」という意味で使われています。
この似た意味の漢字二文字を組み合わせた熟語「瑣末」の意味は、
「細かいことであり、重要ではない様子」
「わずかなこと」
「取るに足りないこと」
「ものごとの本筋からは外れたささいなこと」
です。
「瑣末」の使い方
では「瑣末(さまつ)」はどのように使う言葉でしょうか。
「瑣末」は、ものごとの本質からは外れた細かいことを示す表現として、やや改まった会話や、文章で使用します。
もっとくだけた会話では「こまかい」「くだらない」「どうでもいい」などというのが一般的です。
「瑣細(ささい)」という言葉とほぼ同じ意味ですが、「末(すえ)」という文字が、木で言えば根本や幹(みき)ではなく、枝葉を指しますので、「本質的でない」というニュアンスが強いです。
「瑣末主義(さまつしゅぎ)」は「トリビアリズム」の訳語で、「ものごとの本質よりも、末梢(まっしょう)のささいな事柄にこだわる態度」を指します。
「瑣末」の類義語・同義語
「瑣末(さまつ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「瑣細(ささい)」 取り上げる値打ちもないほど、細かい様子。
- 「瑣少(さしょう)」 「わずか」の意味の漢語表現。
- 「トリビアル」 取るに足りないさま。
- 「細部」 本質的ではない、細かい部分。
- 「微々たる」 わずかで、取るに足りない様子。
- 「僅か(わずか)」 数量などが、ほんの少しで、わざわざ取り上げるほどでもない様子。
他に - 「瑣事(さじ)」
- 「枝葉末節(いようまっせつ)」
- 「笑い事(わらいごと)」
「瑣末」の対義語・反対語
「瑣末(さまつ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「重大(じゅうだい)」 そのことが物事の成否(せいひ)に関わるような、大きな影響力のある様子。
- 「重要(じゅうよう)」 ものごとの成立にかかせないほど大事である様子。
- 「大事(だいじ)」 重要なことがら。
- 「一大事(いちだいじ)」 重大な事件。
他にも - 「本質的(ほんしつてき)」
- 「根本的(こんぽんてき)」
- 「意味深い(いみぶかい)」
- 「意義深い(いぎぶかい)」
「瑣末」を使った例文
「瑣末(さまつ)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- いちいち名前もつかないような瑣末な雑用をこなしているうちに、主婦の一日は過ぎていくものだ。
- そんな瑣末なクレームにいちいち関わっていられるか、俺は社長だぞ。
- 瑣末な事柄と思っても、その一つ一つを一期一会(いちごいちえ)と思って、手を抜かずに立ち向かうことが結局は人生の質を決めるのです。
- 瑣末な描写と思えたものがいちいち重要な伏線となっていて、それらが絡まりあって壮大なクライマックスを迎える素晴らしい小説。
まとめ
以上、「瑣末(さまつ)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「瑣末」だけではなく、「瑣細(ささい)」や「瑣少(さしょう)」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。