「掣肘」の意味と使い方を解説!「掣肘」を使った例文を紹介

掣肘

「掣肘(せいちゅう)」という言葉は、ご存知でしょうか。

これは使われている漢字も難しいですし、あまり頻繁に使う語彙でもありません。時代物や古典など、古い文学作品を愛好する人でもないかぎり、なかなかお目にかからないかもしれません。

自分から使う機会はないかもしれませんが、何かの文章で出てきた時にぱっと意味がわかると気分がいいですよね。

ということで、以下では「掣肘」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「掣肘」の意味・読み方

「掣肘」は「せいちゅう」と読みます。

次に意味ですが、まずは「掣肘」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
」は「ひく」「ひきとめて自由にさせない」などの意味があります。

」は「ひじ」つまり「腕の関節部分」です。

なので、文字通りには「掣肘」は「ひじをひっぱること」「ひじをつかまえてとどめること」を意味します。

日本語としての熟語「掣肘」の意味は以下のとおりです。
傍から干渉し、自由に行動させないこと
いらない手出しをして自由な行動を妨げること

「掣肘」の使い方

「掣肘(せいちゅう)」は
「掣肘を加える」という使い方が多いです。

固い語感の漢語なので、会話よりも文章中で使います。
やや古めかしく、格調高い感じになります。

「掣肘を加える」と似たような雰囲気の成句として
「鉄槌(てっつい)を下す」や
「天誅(てんちゅう)を加える」がありますが、
それぞれ意味はまったく異なりますので混同しないようにしましょう。

「鉄槌(てっつい)を下す」は「厳しく処断(批判)すること」。
「天誅(てんちゅう)を加える」は「天になり変わって制裁を加えること」です。

「掣肘を加える」は、相手の行動を妨害、制約する点にポイントがあります

「掣肘」の類義語・同義語

「掣肘(せいちゅう)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

「介入」 第三者が事柄に関わることです。(例:武力介入)
「干渉」 当事者でないのにあれこれ口出しし影響を与えようとすることです。
「牽制」 注意を自分に引きつけるなどして相手の行動を妨げることです。
「拘束」 身動きがとれないようにし、自由に行動をさせないことです。

他に、
「制限」
「制約」
などがあります。

「掣肘」の対義語・反対語

「掣肘(せいちゅう)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

「協力」 力を合わせて何かを成し遂げようとすることです。
「支援する」 傍から援助することです。
「促進する」 行動を促すことです。
「背中を押す」 相手の行動に勢いを付ける言動です。
「尻を叩く」 行動を促進するよう叱咤激励することです。
「助長する」 これは良くないことを促進する場合の表現です。

他に、
「力になる」
「せっつく」
など。

「掣肘」を使った例文

「掣肘(せいちゅう)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

「掣肘(せいちゅう) 」を使った例文
  1. 親権者といったって形式的なもので、横から掣肘されるいわれはない。
  2. 数多いる老練な老中たちから掣肘を受けることなく、自由に幕政を切り回してみたかった。
  3. わが艦は敵艦隊の背後に回り込んで掣肘を加える。
  4. あの少女の意味ありげな言葉が暗示となって、彼の行動を深い部分で掣肘し続けていた。

まとめ

以上、「掣肘(せいちゅう)」の意味や用法について深掘りしてみました。

「掣肘」だけではなく、「介入」「干渉」など、
さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。