「整合性」という言葉は、国会で野党議員が政府や官僚の言動を追及する場面や、上司が部下の企画内容をチェックする時に使ったりするなど、何らかの議論をする際によく使われる言葉です。
しかし、わかったようで今一つわからない言葉と言えるかもしれません。
自信をもって使っていけるように、言葉の意味や使い方を理解していってみましょう。
整合性の意味
整合性とは「つじつまが合っていること」「物事がずれていないこと」という意味です。
「整」は「ととのっている」
「合」は「合っている」
「性」は「状態」
とも言い換えられますので、「ととのっていて合っている状態」とも言えます。
普段、よく使う場面をイメージしてみましょう!
野党議員やニュースのコメンテーターが、大臣や官僚に対して「あの行動とその言葉は整合性がとれていない」と追及することがあります。
また会社では、上司が部下の企画書をチェックして「このデータとこの提案内容の整合性を図らなければいけない」などと指摘を受けたりすることもあります。
「整合性をとる」とはどういう意味か
「整合性をとる」とは「論理的に説明できるように、物事と物事の内容を一致させる」「つじつまが合うように工夫して整える」という意味です。
例えば、「整合性をとる」とはこのようなことです。
会社において上司は、部下達を管理する際、整合性をとります。
部下に指示をしたり相談に答えたりする際に、部下の特性やその時々の状況は異なりますが、全体からみたバランスや公平さ、一貫した方針からの対応かを考えながら指示や受け答えをしていき、その根拠を論理的に説明できるようにします。
「整合性」の正しい使い方
「整合性」という言葉を使うシーンとしては、論理的に物事を考えたり、話し合ったりする時になります。
学校や企業での調査・分析・計画・話し合いなどの時や、政治・経済・時事問題など真面目なテーマについて議論するなどがそれにあたるでしょう。
ですので、遊びをする時に使うことはあまりありません。
「整合性」を使った言葉としては、
- 整合性をとる
- 整合性がとれない
- 整合性を図る
- 整合性がない
- 整合性がある
- 整合性を前提とする
などがあります。
「整合性」の類義語・同義語
整合性と似た言葉として、「一貫性」や「無矛盾性」があります。
「一貫性」は、物事の最初から最後まで一致した方針のことです。
人の行動や、組織の方針などを表す時に使います。
「無矛盾性」は、あまり使われない言葉で、「矛盾がない」と言い換えられます。
論理的に間違いがないことや言葉に嘘がないという意味になります。
人の行動や論理を問う時に使います。
「整合性」は、「一貫性」や「無矛盾性」と同じように、ある物事と別の物事の状態が合っていることを言い表していますが、「整合性」は物事の前後だけでなく、上下左右など、複雑な物事を整えたり合わせたりした状態を表す言葉です。
「整合性」の対義語・反対語
「不整合性」という言葉はありますが、使われることは殆どありません。
類義語として「無矛盾性」があることを考えると、「矛盾性」が反対語に近いと言えますが、これも殆ど使われません。
「矛盾がある状態」が反対語に近いと言えます。
「整合性」は、「整合性がとれている」に対して「整合性がとれていない」や、「整合性がある」に対して「整合性がない」「整合性に欠ける」など、言葉をつけて反対表現をします。
また「整合」という言葉にも、反対語はありません。
「整合性」を使った例文
「整合性」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 法律を作る際は、憲法と整合性をとる必要があります。
- 今回作成したデザインと使うことができる材料の種類は、整合性がとれています。
- 容疑者の証言と実際に起こった事実には、整合性がありません。
- あの人の話には整合性があるので信用がおけます。
- 整合性を確保するために、再度調査しデータを収集してください。
- 今までの方針との整合性を図るため、今回の案は見直すように指示します。
- 新しく発売された商品は、国際基準との整合性に優れています。
- データ項目を見直し、整合性を確保するようにと指示を受けました。
- 学会へ提出する論文は、様々な研究結果との整合性も求められます。
まとめ
「整合性」という言葉は、ビジネスの場面ではよく出てきます。
客観的な状況を論理的に説明する際には便利な言葉です。
この言葉を適切に使うことができれば、話し手の印象が、より論理的な人物と伝わる可能性もあります。
物事の整合性を意識して業務を行うことは、周囲から評価されます。
最後までお読みいただきありがとうございました。