本を読んでいて以下の漢字を見た時、あなたはA)とB)どちらの読み方で読んでいますか?
- 浅薄(せんぱく)
- 浅薄(あさはか)
どちらの読み方も正しいような気がしますが、果たしてどうなのでしょう?
それでは、下で正解を見てみましょう!
この記事では、「浅薄」の意味と読み方、使い方、類義語・同義語、対義語・反対語、そして「浅薄」を使った例文をご紹介します。
浅薄の意味と読み方
実は「浅薄」は、「せんぱく」と読むのが正解です。「あさはか」ではありません。
「あさはか」の時は「浅はか」というように、「はか」をひらがなで書きます。
「せんぱく」は、その漢字が示すように【考えや知識などが浅く薄っぺらなこと】です。
その人に【学識や見識が足らない】という事ですね。なかなか耳が痛いです!
「浅薄な人」は、思慮が行き届かない、つまり【浅はかだ】ということになります。
ちなみに、「浅はか」は【考えが浅いさま。思慮が足りないさま】に使う形容動詞です。
少し紛らわしいので、この2つを区別するために「浅はか」は、「浅はかな行動」「浅はかな関係」のように、【考えが不十分で軽率】のイメージが強いと覚えておきましょう。
浅薄の使い方
浅薄(せんぱく)は、【名詞・形容動詞】です。名詞として使う時は「浅薄さ」とも言えます。形容詞の時は「浅薄な」となります。副詞の場合は「浅薄に」というように使います。
形容詞「浅薄な」に続くのは、「考え」「学識」「知識」「判断」「理解」「解釈」「行動」「言動」「人」などの名詞です。もしくは、「見識が浅薄だ(述部)」や「浅薄に解釈する(副詞)」のように使います。
「皮相浅薄(ひそうせんぱく)」や、「浅薄皮相(せんぱくひそう)」という四字熟語がありますが、意味はやはり【思慮が足らず上辺だけで内容が乏しいこと】です。これは、「物事を皮相浅薄に考えていると何をやっても成功しない」のように使います。
似たようなもので、「浅薄愚劣(せんぱくぐれつ)」という四字熟語もあります。こちらは、【考えが軽薄で知識が浅く愚かなこと】と、人に言われたら更にキツイ表現ですね!
浅薄の類義語・同義語
浅薄(せんぱく)の類語は、【何が深くないのか】【何が足りないのか】によって考えてみるのがいいでしょう。
意義 | 「浅薄」の類語 |
物事を深く考えていないさま | 浅慮な、短慮な、熟考しない、考えの浅はかな、単線的な、短絡的な、十分に考えない、深く考えない、考えが足りない、考えが甘い、視野の狭い、単純な、軽率な、軽薄な |
学問や知識が 足りないさま | 浅学、浅薄、浅識、無知、蒙昧、無学、不案内、浅知恵、疎い、浅短、浅近 |
物事の見方に 深みがないさま | 浅い、薄っぺらい、皮相な、表面的な、深みのない、奥行きのない、奥深さのない、軽々しい、平板な、上滑りした |
考えや言動に 深みがないさま | 軽い、浅はかな、軽薄な、軽率な、軽々しい、チャラい、重みがない、深みのない、薄っぺらい、皮相な、上調子の、軽はずみな、分別のない、安易な、安っぽい、嘘っぽい |
感情に任せて 物事を行うさま | 愚直な、直情径行の、認識の甘い、浅い、浅はかな、浅知恵の、物事を(深く)考えない、 |
内容や目的などが 明らかなさま | 見え透いた、見え見えの、あからさまな、こけおどしの、子供だましの、小賢しい、猿知恵、茶番の、安っぽい、安直な、浅はかな |
上記のように意義によって「浅薄」の類語は変わってくるのですが、
この中で、「浅薄」と置き換えやすいのは
- 浅慮(名・形動):思慮や考え方の浅いこと
- 短慮(名・形動):知識や考えが浅いこと。思慮が足りないこと。
でしょうか。
その使い分けですが、「浅慮」は、上記の他【浅はかな考えや知識そのもの】の意味もあります。ですから、「浅慮を恥じる」とは言えますが、「浅慮な考え(学識)」や「見識が浅慮だ」とは使えません。
対して「短慮」は、考え以外に【知識や見識(物事の本質を見通す判断力。物事についてのしっかりした考えや見方)が浅いさま】にも使います。こちらも、「短慮を恥じる」とは言えても、「短慮な学識」や「見識が短慮だ」とは言えません。
浅薄の対義語・反対語
浅薄(せんぱく)の対義語として相応しいのは、
- 深厚(しんこう):意味が奥深いこと(さま)。
- 重厚(じゅうこう):どっしり落ち着きがあるさま。軽率でないこと。
- 深遠(しんえん):内容・意味が奥深く、計り知れないさま。
でしょう。
それ以外の反対語も、類義語・同義語の時と同じやり方で探してみましょう。
意義 | 「浅薄」の類語 |
物事を深く考えているさま | 深慮、熟考した、考えの深い、十分に考えた、深く考えた、視野の広い、慎重な、重厚な |
学問や知識が 充分なさま | 碩学、博識、博学 |
物事の見方に 深みがあるさま | 深い、深みのある、奥深い |
考えや態度に 深みがあるさま | 深い、重厚な、慎重な、重みのある、深みのある、分別のある |
感情に任せず 考えて物事を行うさま | 慎重な、思慮分別のある、認識をもった、物事を深く考えた |
内容や目的などが 明らかでないさま | ― |
上記のように意義によって「浅薄」の反対語も様々なので、用途によって選びましょう。
浅薄を使った例文
最後に浅薄(せんぱく)を使った文例をいくつかご紹介しますので、参考にしてくださいね。
- たった一度しくじっただけで、浅薄な人間だと思われてしまうのは悔しい。
- 浅薄な少年たちの言うことなんて、耳に留めることはないよ。
- 今後の長い付き合いを考えると、私の学識が浅薄だということは、どうやっても隠しきれないであろう。
- 二人の様子を見た夫人は浅薄な解釈をし、勝手に見合い話を進めてしまったようだ。
- それにしても、彼ほどの知恵者にしては、あのやり方は浅薄すぎるな。
- 海外出張だと聞いて大喜びした私はまったくもって浅薄だった。
- 若気の至りの浅薄な判断で、彼のその後の人生は決まってしまった。
浅薄の意味まとめ
以上、本記事では浅薄(せんぱく)という言葉についてご紹介しました。
もしこの記事を読んでいなかったら、今後も「浅薄」を「あさはか」と読み続け、人に「浅薄な人だ」と思われてしまうところでしたね!
今後はくれぐれも、浅薄な知識を振りまわさないようにお互い気をつけましょうね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。