「拙作(せっさく)」という言葉は、ご存知でしょうか。
自分自身で何かの創作活動をしている人は、けっこう使う言葉だと思いますが、そうでなければ、意外に知らない表現かもしれません。
意味は難しくない言葉ですので、この機会にささっと「拙作」を習得してしまいましょう。
それでは、以下で「拙作」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「拙作」の意味・読み方
「拙作」は「せっさく」と読みます。
次に意味ですが、まずは「拙作」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「拙」は「つたない」「まずい」「へた」という意味です。
「作」は「作品」という意味です。
この二文字を組み合わせた「拙作」は、
文字通りには「つたない作品」という意味です。
実際「まずい製作、作品」という意味でも使われますが、
殆どの場合は、「自分の作品の謙譲語」です。
自分の心血を注いだ作品を人に対して「下手くそな作品」とへりくだるのはいかにも日本的です。
お土産を渡すときに「つまらないものですが」と言い添えるのと同じです。
「拙作」の使い方
では「拙作(せっさく)」はどのように使う言葉でしょうか。
「拙作」は、意味の項目でも説明した通り、
「自分の作品に対して、下手くそな作品ですが、とへりくだる謙譲語」ですので、自分で何かの作品を創作・製作したときに、それを人に対して紹介するときに「拙作ですが」という風に表現します。
他人の作品を低く評価するときに「拙作」を使っても誤用ではないですが、その場合はむしろ「駄作」という言葉のほうが一般的です。
「拙作=自分の作品のこと」と覚えておいて間違いはないでしょう。
「拙作」の類義語・同義語
「拙作(せっさく)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「愚作」 つまらない作品。「拙作」と同様に、自分の作品の謙譲語としても用いる
- 「凡作」 平凡でつまらない作品
- 「駄作」 鑑賞するに値しないつまらない作品
また、へりくだっていう類似の表現に次のようなものがあります。
「つまらないものですが」 お土産を手渡す時に言う慣用句。
「愚妻」 自分の妻のことを呼ぶ謙譲の表現。ですが、イマドキはあまり使いません。
「拙作」の対義語・反対語
「拙作(せっさく)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「傑作」 傑出してすぐれた作品
- 「名作」 歴史に残るような素晴らしい作品
- 「力作」 力の入った優れた作品
- 「秀作」 非凡で、素晴らしい作品
また謙譲表現の「拙作」の反対語として、相手の作品を尊敬する表現として以下などがあります。
「御作(ぎょさく)」 他人の作った作品を敬っていう言葉です。
「玉稿」 相手の原稿を敬っていう表現です。
「拙作」を使った例文
「拙作(せっさく)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 「今回の拙作ですが、歴史に名を残す名作と言っても過言ではないでしょう。」「へりくだる気ゼロですね。」
- なにとぞ先生のご高覧を賜りたく、恥ずかしながら拙作をお送りさせていただきます。
- この度、拙作が栄えある賞を受賞いたしました。
- 若書きの拙作ではありますが、直しだすと根本的に別の作品になってしまうので、あえて当時のまま直さずに再版いたします。
まとめ
以上、「拙作(せっさく)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「拙作」だけではなく、「愚作」をはじめ、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。